beacon

神戸DF岩波「キックではだれにも負けたくない」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 1年でのJ1復帰が目前に迫った神戸の最終ラインで守備の要として体を張り、攻撃の第一歩となるビルドアップでも存在感を見せているのが、19歳のDF岩波拓也だ。下部組織からの生え抜きCBは、高校3年時の昨年6月にトップチームとプロ契約を締結。昨季はJ1で2試合の出場にとどまったが、今季はJ2第39節終了時点で37試合出場2得点を記録するなど、中心選手としてチームを牽引している。2013年、さらなる成長を遂げた期待の大型CBをゲキサカが直撃した。

―今季のこれまでを振り返って、自己評価はいかがですか?
「今年が実質、プロ1年目になりますが、最初は何試合かに出られればいいかなというぐらいにしか考えていませんでした。ところが、CBの選手が次々とケガで離脱していく中、自分がレギュラーになり、ほぼ毎試合、出させてもらっています。自分にとってすごく大きな経験になっていますが、同時に毎試合毎試合、課題も出ています。自分がさらに成長するには、まだまだ足りない部分がたくさんあるなと感じていますし、今の自分の出来には全然満足していません」

―ユースにいた去年までと比べて、自分が変わったと思う部分はありますか?
「1週間に1試合というペースの中で、コンディションづくりや食事の面は変わってきたと思います。体つきもそうですが、スピードにも慣れてきて、試合を重ねるごとに自分の特長を出せるようになってきているので、そういう意味ではすごく手応えも感じています」

―自分の特長を出せるようになった要因は何ですか?
「慣れもありますし、試合に勝っていくことで自信にもなっています。例えば、自分のパスが1本通ることでも自信になりますし、周りやチームメイトからの評価という部分で自分の自信になることもあります。自信を持てるようになったからこそ、自分の特長も出せるようになったのかなと思います」

―迷いなくプレーしている印象があります。
「キックに関しては、自分の中で自信もありますし、今までもその部分が評価されてきたと思っています。そこは自信を持っていますが、守備の部分に関してはまだまだ課題が多いです。自分の特長を生かしつつも、もっと守備が強くならないといけないと思いますし、それができないと、もっと上のレベルには行けないと考えています」

―キックへのこだわりが強い岩波選手ですが、足元を支えるスパイクにもこだわっていますか?
「ボールを蹴ったときの感覚というのを自分の中ではすごく意識しています。パスが自分の特長でもありますし、こだわりもあります。そういう意味では、今、着用している『adizero F50』はすごく軽いですし、蹴りやすさという意味でも気に入っています」

―『adizero F50』はアディダスのスパイクの中で最も軽いタイプのものですが、軽いスパイクだとキックスピードも変わってくるものですか?
「そうですね。革が薄いので、足に当たっている感じがすごくあるというか、素足感覚に近いですね。足に当たっている感覚があるので、正確なパスを出せるイメージがあります」

―自分の中で理想のパス、一番気持ちのいいパスとは?
「逆サイドへの一発のロングボールだったり、前線へのくさびのパスも好きですね」

―キックにこだわるようになったきっかけは何かあったんですか?
「年代別の代表で自分がどうやったら生き残っていけるかを考えたとき、周りの選手とは違うプレーを見せないといけないと思いました。パスやキックにこだわってアピールしていく中で、そこを評価してもらえたのかなと思っています」

―キックではだれにも負けたくない?
「負けたくないですね」

―今シーズン、一番理想に近いと思ったキックは?
「ホームのガンバ大阪戦でハーフウェーラインぐらいからシュートを打ったんですけど、もう少しで入りそうだったんですよね」

―パスじゃなくてシュート?
「はい、そうですね。やっぱりゴールも決めたいので(笑)」

―プロになって食事の面が変わったというのは?
「食べる量がすごく増えました。もともと体重が軽くて、試合中に相手と当たって飛ばされることも多かったので、意識して食べる量を増やしています。今年のはじめは体重も72kgぐらいでしたが、今は77kgから78kgぐらいあります」

―体重が増えて、プレーで違いを感じることは?
「相手とぶつかったときも簡単には倒れなくなりましたし、そこは手応えを感じています」

―早くJ1でやりたいという気持ちはなかったですか?
「テレビなどでJ1の試合を見ていて、すごくレベルも高いですし、自分もやりたいなとは思いますが、まずはJ2で試合に出て、自分に足りないところを知ることができましたし、J2でコンスタントに試合に出ているというのは、J1で試合に出られないよりも、ずっといい経験ができていると思っています」

―どういうところで試合に出ることの大事さを感じますか?
「去年、全然試合に出られていないとき、練習でも学べることはすごく多かったんですが、今年、コンスタントに試合に出てみて、今まで対戦したことのない選手と実際に対戦したり、やっぱり試合でしか学べないことがあるんだなと。そういう意味で試合に出ることが一番大事なのかなと思います」

★関連ニュースはアディダス マガジンでチェック

(取材・文 西山紘平)

TOP