beacon

DF今野泰幸「特別なユニフォーム」でブラジルW杯へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本代表は16日のオランダ戦に新ユニフォームで臨んだ。来年6月にブラジルで開催されるW杯で選手たちが着用する“新戦闘服”は、チームの団結を象徴する「円陣」がコンセプト。ユニフォーム背面に施された鮮やかなネオンカラー(蛍光色)の一本線は、選手が「円陣」を組んだ際に一つの大きな輪となるようにデザインされている。選手、サポーターの強い絆と勝利への想いを表現した新ユニフォームが完成した日本代表。そのディフェンスリーダーであるDF今野泰幸をゲキサカが直撃インタビュー。南アフリカW杯では本大会直前に負傷する悔しさも味わった男に、新ユニフォームの感想から4年越しとなるW杯への決意を聞いた。

―新しい日本代表ユニフォームを着てみた感想はいかがですか?
「デザイン面ですごく明るくなったというか、蛍光色のラインが入って、ちょっと派手になりましたね。僕の場合、顔が地味なので、ちょうどいいかなと思います(笑)」

―日本代表のユニフォームが変更されるのは毎回楽しみですか?
「そうですね。気分も変わりますし、毎回、どんなユニフォームになるんだろうという楽しみもあります」

―ユニフォームが変わるたびに選手同士で感想を言い合ったりしますか?
「言いますね。不思議なんですけど、ユニフォームって最初は今のものに慣れているから違和感を覚えますけど。でも、着れば着るほど、『前のユニフォームより、こっちのほうが全然いいよね』ってなる。ほんと不思議ですね」

―新しいユニフォームの着心地はいかがですか?
「とにかく軽いですね。間違いなく動きやすいですし、選手にとってはありがたいです」

―ユニフォームがプレーに影響することもあるんですか?
「着ていてどこかが体に当たっているような感じがするユニフォームは嫌ですね。でも、今回のユニフォームは軽いですし、まるで着てないような感覚があるので、そういう意味でもすごくプレーしやすいです」

―新ユニフォームのコンセプトは「円陣」となっていますが、選手にとって試合前の円陣というのはどういう意味がありますか?
「気持ちを高めるというのが一番ですね。試合会場によっては、試合中は選手間の声が聞こえないこともあるので、円陣のときにもう一回確認するという意味もあります。キャプテンを中心に、選手同士で話せる唯一の場所なので、すごく大事にしています」

―具体的な話もするんですか?
「すごく具体的な話が出るときもあります。試合の入り方として前から行くのか、立ち上がりは様子を見るのか。そういうことを決めるときもあります」

―円陣でさらにモチベーションも上がるということですね。
「そうですね。ピッチに入場するとき、国歌斉唱のとき、円陣のとき。そうやって徐々にテンションが上がっていく感覚ですね」

―今回の新ユニフォームは来年のブラジルW杯でも着用します。そういう意味でも特別なユニフォームになりますか?
「そうですね。W杯本大会でも必ずこのユニフォームを着て試合に出たいと思いますし、自分にとっても特別なユニフォームです」

―今野選手は南アフリカW杯にも参加していますが、4年前と今では日本代表での役割、立場も大きく変わりました。
「まったく違いますね。前回はアジアの3次予選や最終予選で試合に出ることはあっても、残り時間わずかなところで途中交代で入ることがほとんどでしたが、今回の予選はほとんどの試合に先発で出させてもらっています。W杯本大会でも試合に出たいという気持ちは強まっていますし、前回とは気持ちが全然違います」

―南アフリカW杯では直前のコートジボワール戦で右膝を負傷し、本大会もデンマーク戦に残り2分から途中出場しただけに終わりました。
「ケガをしたときはショックでしたが、あとに引きずるということはそこまでなかったです。自分の力のなさが、本大会で試合に出られなかったことにつながったと思っているので」

―ケガが原因ではなく?
「『ケガも実力のうち』と自分では考えていますし、まだまだ力が足りなかったから試合にあまり出られなかったと思っています。だからこそ、今回も何が起こるか分からないですし、最後まで気は抜けません。チャレンジし続けたいと思っています」

―ブラジルW杯ではもっと試合に出たいですよね。
「サッカー選手はみんな試合に出たいという気持ちを持っていますし、もちろん僕もスタメンで出て、90分フル出場したいという気持ちを常に持っています。そのために今、ポジション争いでもがんばっているところです」

―今もポジション争いで危機感を持っているんですか?
「日本代表というのは常に危機感との戦いだと思っています。安心したらそこで終わりだと思いますし、成長し続けないと生き残っていけないので。まだまだこれからも努力し続けないといけないと思っています」

―年齢を重ね、代表での立ち位置も変わって、今はどういうことを意識していますか?
「人はそんな簡単に変わらないので(笑)。4年前と変わらず、みんなからイジられもするし、イジられて盛り上げるみたいなキャラは変わってないですね」

―4年前の代表チームと現在の代表チームを比べて、成長していると感じますか?
「それは難しいですね。4年前も素晴らしい選手がたくさんいましたし、今の日本代表にも、海外で毎試合レベルの高いところでプレーしている選手が数多くいます。どちらがよかったとか、どちらが優れているとか、比較はできないですね」

―選手としてブラジルで開催されるW杯は特別ですか?
「ブラジルで行われるW杯が特別というわけではなく、W杯自体がサッカー選手のあこがれです。選手にとって、W杯で試合に出るというのはすごく特別なことですし、来年のブラジルW杯では自分もレギュラーとして試合に出場し、チームの勝利に貢献したいと思っています」

★関連ニュースはアディダス マガジンでチェック

(取材・文 西山紘平)

TOP