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[総体]指揮官からの期待、プレッシャーに「勝てたかな」、市立船橋「スーパーエース」石田が決勝2発!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]平成25年度全国高校総体
「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技

[8.7 全国高校総体決勝 市立船橋4-2流通経済大柏 レベスタ]

 0-0、PK戦10-9で正智深谷との準決勝を制した試合後、「次の試合のことを考えてしまって出し惜しみがあった」と首を振っていた。一戦一戦集中してはいたが、市立船橋の「スーパーエース」ことFW石田雅俊(3年)は日本一への思いが強すぎるあまり、どうしても次の試合のことを考えて余力を残してしまっていたという。だが「もう決勝だけ。あすは全部出せる」と意気込んでいたFWは後半に勝負を決める2ゴールを決めるなど、決勝で2得点1アシストの活躍。チームを日本一へ導いた。

 前半は「身体がちょっと動かなかった」となかなかチャンスに絡むことができなかったが1-1の前半28分、中盤で鋭いターンから強引に前進してMF室伏航へスルーパス。勝ち越しゴールをアシストした。そして2-2で迎えた後半11分、今度はGKと1対1となった室伏からのラストパスを難なく右足でゴールを流し込む。「(室伏が)譲ってくれました。呼んでましたけれど、(彼が)打つかなと。でもいつも譲ってくれるんで」と感謝したエースは29分にもゴールを破る。左オープンスペースでボールを受けると、スライディングタックルしてきたSBをかわし、右足シュート。「狙っていました。ファーにシュートブロックがいたので、(コースはGKの)股だけかなと思った」という一撃はGKの股間を射抜いてゴールヘと突き刺さった。

 日本一を懸けた一戦で2得点1アシストの活躍。4点目をアシストしたFW横前裕大が「昨日の夜からずっと集中していました」と説明したエースは、大一番でチームの期待に応えた。特に朝岡隆蔵監督は「モノが違う」と才能を認める石田を一本立ちさせるため、2年時から「自信を持たせてあげて、成長させてあげないといけない」とどんなにプレー内容が悪くても石田をフル出場させて成長を促してきた。

 そして今シーズン。プリンスリーグ関東1部ではFC東京U-18からハットトリックを達成し、千葉県大会準決勝の八千代戦では4ゴール。今大会は自身へのプレッシャーをかけすぎたか、なかなかパフォーマンスが上がらなかったが、決勝では常に石田への期待を公言してきた指揮官へ恩返しした。「『期待している』と直接言われているので応えないといけないというプレッシャーがあった。でも今回は(そのプレッシャーに)勝てたかなと。ちょっとだけですけど」と大一番で真価を発揮したエースは満足気に頬を緩ませていた。

(取材・文 吉田太郎)
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