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イタリア相手に“善戦”。長友は「素直にうれしかった」

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[6.19 コンフェデレーションズ杯A組 日本3-4イタリア レシフェ]

 3-4の逆転負け。公式戦である限り、勝ち点を得なければ何かを手にしたことにはならない、そのことは重々承知している。しかし、それでもなお、DF長友佑都(インテル)はうれしさを感じていた。

「僕個人としてもそうですが、これだけ日本代表は成長したんだというところをイタリアに見せたかった。試合後、(イタリアの選手)一人ひとりと握手したとき、『本当に強いチームだ』『良いチームだ』とみんなに言われた。それは素直にうれしかった」

 立ち上がりから格上の強豪国を圧倒した。イタリアは、第1戦のメキシコ戦で守備に課題を残した右サイドバックと右サイドハーフの2つのポジションで先発メンバーを変えてきていた。いずれも長友の対面。日本の左サイドからの攻撃を警戒しての布陣だ。

 しかし、対策を講じていた相手を上回るものを、日本は見せた。前半は長友のサイドで数的優位をつくることが多く、「監督からも左から崩して右で仕留めろと言われていた。うまく崩せていたかなと思う」(長友)と自画自賛した。直接ゴールに結びつく場面はなかったが、ここでのチャンス量産が日本をさらにゴールに向かわせることへとつながった。

 試合後はMFデ・ロッシから言われてユニフォーム交換。取材エリアでは、FWバロテッリやFWエル・シャーラウィに肩を叩かれ、声をかけられていた。“イタリアを舞台に日々しのぎを削り合っているライバル”としての光景だった。

 ブラジル戦に続く黒星となったが、その試合とは違う感情も生まれた。「やっと悔しさが出てきた。何もできなかった、チャレンジもできなかったブラジル戦のときは出てこなかった感情」。それもまたうれしいことだった。

 イタリアと日本の違いは、チャンスに決めるか決めないかというシンプルなことだと言う。

「自分たちの実力を素直に認めないといけないけど、今日のイタリア戦は僕の中では手応えをつかんだ試合。これからの1年で何をやる必要があるかが見えてきた。一番うれしいのは、チームとして何をやればいいかを気づけたこと」

 ザックジャパンを引っ張る存在は1年後に向かって再び顔を上げて前を見つめた。

(取材・文 矢内由美子)

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