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追撃及ばず敗退の広島、寿人「プロの世界では結果が一番」

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[6.30 ナビスコ杯準々決勝第2戦 柏0-1広島 柏]

 圧巻のビューティフルゴールだった。後半14分、MF高萩洋次郎からの浮き球をFW佐藤寿人は柏DF2人の間で胸トラップ。「自分のイメージよりは外に流れてしまった」と語るとおりゴールとは逆方向に浮いてしまうが、それでも落ちてくるボールをボレーシュートでとらえ、ゴールに叩き込んだ。驚くべきことに、トラップをしてからシュートまでの一連の動きの中でゴールマウスは見ていなかった。「トラップした位置で(ゴールマウスは)わかる」。天性のストライカーの得点に、目の前で得点を許したDF増嶋竜也は「寿人くんを褒めてください」と脱帽し、柏のエースストライカーMF工藤壮人は「代表に入らないといけない選手」と絶賛した。

 試合後、記者からもゴールを称賛されたが、結果が伴わなかったため余韻に浸っている様子は皆無だった。「しっかりしたサッカーをやりながら結果が出せなかった。プロの世界では結果が一番。キレイなゴールじゃなくても、泥臭くてもよかったのでもう1点取りたかった」と佐藤寿は唇を噛んだ。

 これでACLに続いてナビスコ杯でも敗退 し、リーグでは5位と昨季のリーグ王者としては物足りない結果だ。しかし、主将としてチームを牽引する佐藤寿はチーム力の充実を強調した。「両サイドがポジション争いで一番の激戦区で、去年優勝に貢献したような選手がメンバーに入ることも難しくなっている。チーム力は間違いなく上がっている。ただ、チーム力が上がっている中でもクオリティーを高めなければいけないので、そこはもっと高めてタイトルを狙う」。

 7月6日からは、約1か月ぶりにJ1が再開される。「しっかり切り替えてリーグに向けてやっていきたい」。リーグ、そしてその先の天皇杯へ、佐藤寿はしっかりとタイトルを見据えていた。

(取材・文 奥山典幸)
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