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日本代表FW工藤がACL4戦連発も…柏はアルシャバブと1-1ドローで敵地での第2戦へ

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 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は21日、決勝トーナメント準々決勝第1戦を行い、日本勢で唯一勝ち残っている柏レイソルはホームの日立柏サッカー場で、アルシャバブ(サウジアラビア)と対戦した。柏は前半21分、FW工藤壮人のACL4試合連続ゴールで先制するも、同44分にMFフェルナンド・メネガッゾに同点弾を許す。パスワークで攻める柏と、カウンターで反撃するアルシャバブという展開となった試合は、両チームとも決め手を欠き1-1のまま終了。アルシャバブが優位の状況で、来月18日にリヤドで行われる第2戦を迎えることとなった。

 今大会8戦無敗(6勝2分)の柏は、J1第19節サガン鳥栖戦以来となる公式戦4試合連続同じ11人がスタメンを飾った。4-2-3-1の前線には、MFレアンドロ・ドミンゲス、MFジョルジ・ワグネル、FWクレオのブラジリアントリオと日本代表の工藤が入った。

 6勝1分1敗で準々決勝まで勝ち進んできたアルシャバブは、柏と同じく4-2-3-1の布陣。センターバックには元京都サンガF.C.のDFカク・テヒが入った。

 2試合連続でホームながらも中3日で迎えた柏は、落ち着いた立ち上がりを見せる。ここまで8試合中4試合で完封し守備的な印象のあるアルシャバブだが、序盤から個人技を活かして柏陣内に攻め入る。しかし、試合巧者の柏はスピードに乗ったアルシャバブのサイド攻撃を上手くいなすと、得意のショートカウンターで応戦。前半12分にはDF橋本和がパスカットからドリブルで攻め上がり、中央にいたレアンドロ・ドミンゲスへ。クロスをダイレクトで合わせるが、シュートはゴールポストの右へ逸れていった。

 前半20分までに4本のCKを得ていた柏だったが、シュートまで至らずチャンスに結びつけることができない。そして、迎えた前半21分、レアンドロ・ドミンゲスのFKのこぼれ球に工藤がいち早く反応し、ボレーシュートでネットを揺らす。エースストライカーのACL4試合連続となる6点目で、柏が待望の先制点を獲得する。

 リードを許したアルシャバブは、攻めてはパスミス、守ってはラフプレーが続き、試合の流れはさらに柏へと傾く。前半36分にはクレオのシュートがDFに当たったこぼれ球をジョルジ・ワグネルが押し込むが判定はオフサイドとなった。

 柏が追加点を挙げることができず、アルシャバブに付き合うようにミスを繰り返すと、アルシャバブが反撃に出る。ドリブルでサイドを突破し、柏ゴールに迫る。DF近藤直也とDF鈴木大輔を中心に、ゴールを許さなかった柏だが、前半44分、CKからフェルナンド・メネガッゾに同点弾を決められてしまう。

 1-1とされてしまった柏は、後半開始とともにクレオに代えてMF狩野健太を投入。狩野を右の攻撃的MFに入れ、工藤はワントップへとポジションを変更した。

 勝利して敵地での第2戦に臨みたい柏は、後半立ち上がりからボールを支配。セカンドボールを拾い厚みのある攻撃を仕掛けるが、フィニッシュまで持ち込むことができない。同10分にはPA内でMFマクネリー・トーレス、MFラフィーニャとつながれ、FWナイフ・ハザジにフリーでシュートを放たれるが、ボールはゴールマウスを大きく外れていった。

 後半20分、柏は効果的なクロスを送れていなかった右サイドバックのDF藤田優人に代えて、韓国代表DFキム・チャンスを入れる。

 前半はレアンドロ・ドミンゲスがバイタルエリアでボールを受ける場面が多く見られたが、後半に入るとアルシャバブの激しいマークに遭いボールに絡む場面を失っていった。たまらずネルシーニョ監督は最後の交代カードを切り、レアンドロ・ドミンゲスに代えてMF澤昌克を入れて勝ち越し弾を狙う。

 敵地での第1戦を1-1で終えれば優位に立てるアルシャバブは、無理に攻めずにボールをキープし、カウンターから反撃に転じる。後半42分にはマクネリー・トーレスのミドルシュートがクロスバーを直撃するなど、チャンスをつくるが2点目を奪うには至らない。

 平日のナイトゲームにもかかわらずスタジアムに訪れた満員のサポーターに、勝利をプレゼントしたい柏は、後半アディショナルタイムに澤の折り返しに工藤が左足で合わせるが、GKワリード・アブドゥラーにセーブされてしまう。試合終了の笛まで必死の攻撃を試みた柏だったが、1-1で終戦。柏は4強に進むためには敵地での第2戦を勝利するか、2-2以上の引き分けが必要となる。

(取材・文 奥山典幸)

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