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公式戦19点目、ゴール量産もチームはドロー…柏FW工藤「仕留めるときに仕留めないと」

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[8.21 ACL準々決勝第1戦 柏1-1アルシャバブ 柏]

「柏から世界へ」。柏レイソルが掲げるスローガンを体現しているのが、FW工藤壮人だ。“ミスターレイソル”FW北嶋秀朗から背番号「9」を受け継いだ今季、J1で12得点、ナビスコ杯で1得点を挙げる活躍を見せると日本代表に初選出。デビュー戦となった東アジア杯中国戦(3-3)では初出場初得点を飾った。さらに、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)では5得点を挙げてチームのベスト8入りに大きく貢献している。

 驚くべきことに、これだけ得点を量産していながら、センターフォワードとしてプレーしている時間はあまり長くない。右のサイドハーフや1.5列目として、守備面での貢献も求められている。ネルシーニョ監督も「非常にポリバレントなプレーヤーで、右サイドでスタートして、後半からはトップで役割をこなせる。いい仕事をし続けてくれている」と賞賛を惜しまない。

 迎えた決勝トーナメント準々決勝第1戦、アルシャバブ(サウジアラビア)戦でも貴重な先制点を決めた。直近のJ1で柏は2試合連続無得点に終わっていただけに、聖地・日立柏サッカー場を埋め尽くした柏サポーターは総立ちとなった。ACL4戦連発となった工藤は、「ゴールに流し込むだけだったので、そんなに難しいゴールではなかった。決めれてよかったです」と、あくまで冷静に得点を振り返った。

 エースストライカーのゴールで先制した柏は、完全にゲームの流れをつかんだ。落ち着きを失ったアルシャバブのミスに乗じて、柏は猛攻を仕掛けた。しかし、スコアボードを動かしたのはアルシャバブのほうだった。

 先制点以降、工藤が2本目のシュートを放ったのは、後半アディショナルタイム、左サイドを突破したMF澤昌克の折り返しに左足で合わせたシュートだ。ゴールマウスを捉えるも、GKにセーブされてしまい、チームを勝利に導くことはできなかった。「仕留めるときに仕留める、効率のいいサッカーをしないといけない。1-0でも、2-1でも、次の試合はしっかり勝つ」。

 1-1という結果を経て、9月18日に敵地で行われる第2戦で、柏は最低でも1ゴールが必要となった。失点を防ぐことも重要だが、それ以上に、攻撃に重きを置いたサッカーをしなければならない。今大会のアウェーで4戦全勝の柏が、再び勝負強さを見せてベスト4入りを果たすことができるのか――。目覚ましい成長を続ける背番号「9」が、世界への扉をこじ開けてくれるはずだ。

(取材・文 奥山典幸)

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