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[MOM195]駒澤大MF湯澤洋介(4年)_関東2部最注目MFが筑波撃破の決勝弾

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2012年度第36回総理大臣杯全日本大学トーナメント
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.12 総理大臣杯準々決勝 駒澤大2-1筑波大 J-GREEN堺メインフィールド]

 試合後筑波大の選手に「まさかオマエに決められるとは」と冷やかされ、「課題は決定力。シュートは持っていない系です」と苦笑いする高速ドリブラーが、進化を実証するゴールでV候補を撃破した。

 駒澤大のエースMF湯澤洋介(4年=矢板中央高)は昨年のユニバーシアード金メダルメンバーでもある大学サッカー界屈指のドリブラー。「自分の武器は仕掛けられるところ。上手くはまらない時もあると思うけれど、監督に信じて使ってもらっている」と謙虚に話すMFは、警戒されていてもDFをブチ抜いてゴールをもたらすチームの大黒柱でもある。

 ただ、この日はベンチスタート。チームの後半勝負の方針のため出場時間は限定されたが「45分間で結果を残さなければいけない」と闘志を燃やした湯澤がチームを勝利へと導く。同点に追いついた直後の後半29分、MF小牧成亘(2年=ルーテル学院高)からのパスを受けた湯澤は外側を回ったMF碓井鉄平(3年=山梨学院高)を劣りに、空いた前方を突いて右足シュート。正確にコントロールされた一撃はゴール右隅へと吸い込まれた。

 ベンチから飛び出してきた控え選手の中に飛び込んだ背番号10。「みんな気持ち入っていたのでベンチにいたヤツらは凄く嬉しかったんじゃないかと思います。(自分自身も)この大会初ゴールだったんで、そこの嬉しさはあった」と一緒になって喜びを爆発させていた。後半42分にカウンターから碓井のスルーパスで抜け出してGKと1対1となりながら決め切れなかったことを悔やんでいたが、課題のシュートで結果を出し、チームも勝たせる納得の45分間だった。

 昨年、湯澤自身は全日本大学選抜の一員としてユニバーシアードで世界一となったが、チームは関東リーグ1部最下位で2部降格。大事な4年生のシーズンを関東2部で迎えている。ただし、エースは「最終学年で監督の期待とかもゴールとか、アシストとかあるし、自分もチームに貢献したいということが第一です。プロとかそういうのは二の次です」と言い切る。現日本代表のMF中村憲剛も中央大4年時は関東2部でラストシーズンを送り、そこから川崎Fで日本代表で羽ばたいた。天皇杯を除くと、自身最後となる大学での全国大会。「決勝まで行って一番強いチームに勝ちたいです」と誓う2部最注目MFは、目の前の1試合1試合に全力を注いでチームに可能な限り多くの白星をもたらし、自らの将来も切り開く。 

(取材・文 吉田太郎)
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