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[MOM205]鹿屋体育大MF福田晃斗(2年)_注目MF、走りと技で勝利の立て役者に

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.19 全日本大学選手権1回戦 鹿屋体育大2-1高知大 BMWス]

 試合終盤でもスプリントを繰り返す圧倒的な運動量。そして1タッチのパスで決定機をつくり出す技術でも存在感を示した。井上尚武監督も「凄くアグレッシブなタイプ」と評するMF福田晃斗(2年=四日市中央工高)が鹿屋体育大の勝利の立て役者だった。

 前半2分、右サイドでのパス交換からダイレクトで左サイドへ展開したプレーがFW坂田良太の先制点につながる。12分には中央から仕掛けて右足シュートをを放ち、直後の13分にはこぼれ球を拾ってクロスバー直撃の左足シュートを放つなど、序盤に試合の流れを傾けた。その後も中盤で相手のプレッシャーをかわしてからドリブルで大きく前進し、また中央から長い距離を走ってサイドのスペースへ抜け出すなど攻撃を活性化。後半、チームは苦しい時間が続いたが、カウンターで福田が絡むとチャンスにつながった。

「自分は小さい(170cm)のでボールを持ちすぎると潰されちゃうと思っているので、ワンタッチを心がけていて、簡単にプレーしようと思っている。身体は結構動いていて。去年も出たんですけど、自分は何も出来なかったというのがあったので、ひとつでも勝って専修や関大といった強いところから刺激を受けたいと思っていた。そのためにも頑張れたと思います」。1年生レギュラーとして出場した昨年もその運動量は光っていたが、本人にとっては不満の残る大会だった。ただ「デンソー(チャレンジカップの九州選抜)や西日本の選抜の選考会で関東、関西のチームの選手とやって刺激を受けた。九州でやっているプレッシャーではダメだなと感じて、この部分は意識してやってきた。全国でもワンタッチとかは活かされてきたので良かったかなと思います」と九州よりも高い関東、関西のレベルを想定して1年間トレーニングし、成長。攻撃だけでなく、球際の厳しい守備などたくましいプレーでチームの勝利に貢献してみせた。
 
 この日は周囲を活かすという点、あと決定力に課題も残したが、今回のインカレでは最大の武器である運動量で違いをつくるつもりでいる。「自分的には小細工きく選手ではないと思っている。一番は運動量。四中工で鍛えられたということもありますし、ちっちゃくても戦えるところは見せたい。その中でボランチで起用してもらっているので攻守で貢献したいと思っている。運動量は絶対に負けたくないと思っています」と語った福田は「チームの柱としてやっていこうという意識がある。2年ながら引っ張れたらいいなと思っている。自信も1試合目でつきました。まずは次、勝ってベスト4へ行くこと」。

 三重の名門、四日市中央工から「九州1部で1年から出ることでプロにも目をつけられたい」という思いで鹿児島の強豪への進学を選択した。今年は四中工で2年後輩のFW浅野拓磨が広島、FW田村翔太が湘南入りを決めている。「負けていられない」と気持ちを昂ぶらせている2年生の注目MFが、その存在を全国に印象付ける。

(取材・文 吉田太郎)
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