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[MOM206]福岡大DF牟田雄祐(4年)_『ナンバー1』の牟田が体を張った守備で8強に導く

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[12.19 全日本大学選手権1回戦 桃山学院大 0-1 福岡大 川口]

 後半に入っても我慢比べは続いていた。迎えた後半30分、主将としてチームを引っ張るDF牟田雄祐(4年=筑陽学園高、名古屋グランパス入団内定)はGKと交錯しながらゴールライン上でボールをかき出し、ピンチを救った。

「練習の時から誰がやられても、GKがやられても、何が何でも自分がカバーするんだという強い気持ちを持ってやっている。練習からやっていることなので特に驚きはないですね」。平然とした顔で牟田は振り返るが、乾真寛監督は「牟田のゴールカバーがポイントだった」と勝敗のキーとなったプレーであったことを認めた。結果的に10分後に福岡大はオウンゴールで勝ち越しに成功。2年ぶりの8強に進出した。

 牟田は今大会ナンバー1のDFということで注目を集める。卒業後はJ1の名古屋グランパスへの入団が内定しており、すでに練習にも参加している。ストイコビッチ監督からは「インカレ頑張れよ」と送り出されたのだという。「自分が目標とする闘莉王さんであったり、増川(隆洋)さんであったり、日本を代表するDFがいるチーム。自分が成長するため、目標のためにはそういう選手から学んで、盗めるものは盗みたい」。あえて高い壁に挑むことを選んだ牟田。レギュラーが確約されているわけではない、厳しい道に身を置くことで成長できると信じている。

『ナンバー1』。これは牟田が大会パンフレットの表紙に記したメッセージだ。準々決勝の相手は3年前の牟田が1年時に決勝で敗れた明治大が相手。「リベンジと言えなくもないですが、学生のチームなのでチームも毎年変わる。でもあの時いた先輩たちは悔しい思いをしたと思うので、しっかり勝ちたい。いい置き土産に出来るように、恩返しの気持ちを忘れずプレーしたいと思っています」と力強い言葉で自らを奮い立たせる。『ナンバー1』の牟田の『ナンバー1』を目指す戦いが始まった。

(取材・文 児玉幸洋)

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