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[MOM257]専修大MF長澤和輝(4年)_J争奪戦展開中のアタッカーが身につけた「ゆとり」

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.12 関東大学リーグ1部第16節 専修大4-0流通経済大 RKUフットボールフィールド]

 Jクラブが争奪戦を展開している専修大MF長澤和輝主将(4年=八千代高)が後半戦初ゴールをマークした。前半30分、左サイドを駆け上がったMF小口大貴からのパスを受けた長澤は落ち着いてDFをかわして先制ゴールを叩き出す。「(これまでも)点を取らないといけなかったんですけど、取れていなくて。きょうとりあえず1点、先制点を取ることができて良かったです」と語った長澤は、前線で別格の存在感。PA近くでDFにプレッシャーをかけられてもボールを失わない長澤に対して流通経済大守備陣は後退するしかなかった。

 母校・八千代高での教育実習によって後半戦開幕からの2試合を欠場した長澤は、第12節で復帰したものの、チームは国士舘大に0-1で敗戦。けが人続出のチームは前節の明治大戦も終了6分前のゴールで何とか引き分けに持ち込む苦しい戦いが続いていた。責任感の強い長澤は「(自分が)戻ってきたことで勝てなくなってしまっていた。でも、悲観することなく自分たちの目標を達成するためにブレずにやっていく」。強い意志とともにピッチに立ち続ける男は、今季9得点目となるゴールで重い空気を消し去った。

 この日の流経大はタイトなディフェンスでファウルで止められるシーンも少なくなかった。以前ならば上手くいかない時にイライラしてしまい、リズムを崩したこともあるという。ただ「そうやっても上手くいかない。キャプテンもやらせてもらっていますし、自分を見失ったら周りにも迷惑かけてしまう」と冷静に対応。最上級生でチームリーダーを務めていることもある。また本人は教育実習で後輩たちを指導した経験が大きかったという。「教育実習に行かせてもらって、自分がプレーヤーとしてではなく、ひとつ離れて指導者として俯瞰してチームを考えることができた。この練習はどういう意図でやっているのか。自分がプレーヤーに言い続けていたことが自分はできているのかなと。帰ってきて考えられるようになりましたし、心にゆとりが出た。いい経験ができたと思います」。この日も頭の中は冷静に90分間戦い、4-0の快勝をもたらした。

 注目の進路については「最後お話を聞かせてもらっている。しっかり考えて決めたいと思います」。チームとしても92年から94年までに筑波大が達成して以来となるリーグ3連覇の快挙を成し遂げることができるか。残り6試合。「1試合1試合最高のゲームができるように。ゴールを見せながらリーグ戦を戦えるように、チーム一丸となって頑張っていきたいと思います」。目標達成のために、ブレずに前へ進み続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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