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[MOM270]関西大MF和田篤紀(3年)_勝利の陰に万能ボランチの存在

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[12.14 大学選手権1回戦 関大4-0岩手大 荻野]

 4発快勝に終わった初戦。当然マン・オブ・ザ・マッチとして予想していたのは先制点を奪ったDF山田幹也(3年=G大阪ユース)や、途中出場で得点しムードを変えたFW佐々木周(4年=奈良育英高)だった。だがしばらく考えた後、関西大島岡健太監督の口から発せられた言葉は「和田篤紀」だった。

 監督の評価は「階段を2歩も3歩も一気に上がるんじゃなくて、階段を半歩ずつしか上がれない子なんです」。だが今日のプレーぶりについては「守備も一生懸命走ってましたし、起点になれていたと思います」と目じりを下げた。

 3年生ながら10番を背負いプレーするMF和田篤紀(3年=神戸U-18)は、FWやトップ下でもプレー可能な万能型のボランチだ。粘り強い守備からボールを奪うとすかさずボールを前に運ぶ。チームメイトも理解しており、和田がボールを持てば一斉に前を向く。「自分が生きるより回りを生かしたほうがいい。良いパスを出すという意識でやっています」。豪快な勝利にばかり目が行くが、和田の犠牲心もしっかり勝ちに結びついた。

 ヴィッセル神戸の下部組織出身で、現在トップチームで活躍するFW小川慶治朗らと同期。ユースから直接トップに上がるという夢は叶わなかったが、大学進学後もたびたびチームの練習に呼ばれるほどの逸材。「帰りたいです」。記者の質問に短めの答えで返すシャイボーイだが、この時の眼光は鋭かった。

(取材・文 児玉幸洋)

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