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初の決勝ならず…U-23代表はメキシコに逆転負けで3位決定戦へ

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[8.7 ロンドン五輪準決勝 日本1-3メキシコ ロンドン]

 初の決勝進出はならず……。44年ぶりの準決勝進出を決めたU-23日本代表は7日、ロンドンのウェンブリースタジアムでU-23メキシコ代表と対戦し、1-3の逆転負けを喫した。初の決勝進出、初の銀メダル以上を懸けた大一番。日本は前半12分、FW大津祐樹のミドルシュートで先制したが、同31分にセットプレーから今大会初失点を喫すると、後半20分にはミスから勝ち越しゴールを許した。後半ロスタイムには3失点目。1-3の敗戦で初の決勝進出は果たせなかった日本だが、気持ちを切り替え、10日の3位決定戦で44年ぶりの銅メダル獲得を目指す。

 日本は4日の準々決勝・エジプト戦(3-0)で左太腿を打撲し、出場が危ぶまれていたFW永井謙佑も先発。エジプト戦と同じベストメンバーで臨んだ。
 本大会直前の7月21日に親善試合で対戦し、そのときは日本に1-2で敗れているメキシコだが、当時はベンチスタートだったFWドス・サントスが先発した。
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 立ち上がりチャンスをつくったのはメキシコだった。前半4分、ドス・サントスが右サイドから仕掛け、MFアキノが左足でミドルシュート。同5分にもセンタリングからのこぼれ球をFWペラルタが右足で狙った。日本も直後にMF清武弘嗣が右足ミドル。負けじと応戦した。

 すると前半12分、日本が大津のスーパーシュートで先制する。MF扇原貴宏が左サイドへ展開し、DF徳永悠平からMF東慶悟へパス。さらに東が中央に流すと、大津はワントラップで前を向き、PA手前から右足を振り抜いた。ゴール右上隅に突き刺さる豪快ミドル。大津の2戦連発となる今大会3得点目でリードを奪った。

 しかし、その後はメキシコの反撃に耐える時間が続く。高い位置からのプレスをうまくかわされ、ゴール前まで攻め込まれるシーンをつくられた。それでもDF鈴木大輔のインターセプトやMF扇原貴宏のカバーリング、DF酒井宏樹のブロックなど粘り強く跳ね返していが、セットプレーで同点に追いつかれた。

 メキシコは前半31分、ペラルタがオフサイドラインぎりぎりから右サイドを抜け出すと、対応したDF吉田麻也はオフサイドをアピールするが、CKを与えてしまう。ドス・サントスの右CK。ニアサイドへの鋭いキックをMFエンリケスが頭でそらし、ゴール正面のFWファビアンがヘディングで押し込んだ。

 1-1の同点。試合は振り出しに戻った。日本にとっては今大会5試合目で初めての失点。直後の前半33分には中盤でのパスミスを奪われ、ピンチを招くシーンもあったが、その後は立て直し、押し込まれる展開ながらも前半を1-1で折り返した。

 日本は後半5分、清武がMF山口螢とのワンツーから右サイドを突破し、マイナスの折り返しを山口が左足でシュート。DFに当たったこぼれ球を永井が左足で狙ったが、ゴール上に浮いた。その後、試合はこう着状態に入り、互いに決定的なチャンスをつくれない。日本は後半18分ごろ、大津と永井がポジションを入れ替え、大津が1トップに入った。

 すると後半20分、日本はまさかのミスから逆転を許してしまう。ペラルタのシュートは一度はGK権田修一がキャッチ。ところが、権田からスローイングでパスを受けた扇原がプレッシャーをかけられ、ボールを失う。エリア外からペラルタが右足を振り抜いた強烈なミドルシュートがゴールネットに突き刺さり、メキシコが2-1と試合をひっくり返した。

 追い込まれた日本は後半26分、東に代えてFW杉本健勇を投入。杉本が1トップに張り、大津がトップ下に移った。同27分には左サイドに開いて受けた杉本がクロスボールを上げるが、永井の手前でDFがカット。同32分、清武に代わってMF宇佐美貴史がピッチに入った。

 同点ゴールの遠い日本。後半38分には最後のカードを切り、扇原に代わってFW齋藤学が入った。中盤は山口のワンボランチで、宇佐美がトップ下のような位置。右に齋藤、左に永井が張り、前線は杉本と大津の2トップとなった。

 後半41分、杉本とのワンツーから左足ミドルを狙った齋藤のシュートはゴール上へ。最後の反撃を狙う日本だが、なかなか相手ゴール前までボールを運べない。後半ロスタイムにはDF吉田麻也もゴール前まで上がってパワープレーを狙ったが、逆に後半48分にカウンターから3失点目。1-3で敗れ、五輪史上初となる決勝進出はならなかった。

(取材・文 西山紘平)

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