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恩師ネルシーニョに誓うタイトル、柏FW田中順也「ああいう別れ方は寂しかった」

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[9.7 ナビスコ杯準決勝第1戦 柏4-0横浜FM 柏]

「戻ってこないと思ってた」。この日先制点を含む2ゴールを奪う活躍を見せた柏レイソルのFW田中順也は、“電撃復帰”をはたした指揮官への想いを語った。

「このチームに入ったタイミングがほぼ一緒ですし、優勝も経験させてもらっているし。ああいう別れ方は寂しかったので……」

 田中が柏の強化指定選手になったのが、2009年7月。そして、ネルシーニョ監督が柏の指揮をとるようになったのも同年7月だ。パワフルな左足シュートがブレイクしたのは、柏が優勝した11年。チームの躍進とリンクする。11年は初めてのJ1ながら13ゴールを奪い、アルベルト・ザッケローニ監督の目に留まり日本代表にも選出された。しかし、12年以降は左足が火を噴く場面は徐々に減少。ゴール数も落とした。

 左足の豪快なシュートが久しぶりにネットを揺らしたのは、J1第22節の大宮戦(3-2)の先制点。キレイな弧を描いたミドルシュートは、第22節のノミネートゴールにも選出された。横浜F・マリノス戦での2得点も、その左足から生まれた。1点目は、MFジョルジ・ワグネルの浮き球を、PA内の密集の中で見事にトラップし左足を振り抜いた。2点目は、リーグ屈指のセンターバックであるDF中澤佑二を背負って単身でパスを受けながらも反転して左足。パスではなくシュートを選択し、さらにゴールを決めきる姿に復調の兆しを見た。

 奇しくも柏が挙げた4点はすべて左足から。3点目と4点目を挙げて横浜FMにとどめを刺したジョルジ・ワグネルも「2点とも素晴らしいゴール」とチームメイトのレフティーを祝福していた。

 天皇杯、ナビスコ杯を連勝で終えた柏は、13日のJ1第25節磐田戦を経て、18日には大一番のACL準々決勝第2戦アルシャバブ戦を迎える。「ACLも優勝したいですし、Jリーグももっと上にいきたい」。プロ選手として唯一の監督であり、日本代表に選出されるまで育ててもらった恩師でもあるネルシーニョに、「監督のために、何かしらタイトルを獲らせられるように」とタイトル奪取を誓っていた。

(取材・文 奥山典幸)

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