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レッズをファイナルへ導いたFW興梠「浦和にタイトルを持ち帰りたい」

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[10.12 ナビスコ杯準決勝第2戦 浦和1-0川崎F 埼玉]

 浦和レッズを2年ぶりのファイナルに導いたのは、やはりFW興梠慎三だった。川崎フロンターレのGK杉山力裕の度重なる好セーブもあり、得点を挙げられなかった浦和は、後半35分にようやく先制点を決める。

 途中出場したMF関口訓充が左サイドを突破して折り返したボールに、興梠が右足で合わせてゴールに突き刺した。「真ん中に立っているだけで決められるわけではない。ヘディングが強いわけじゃないから、なるべくニアで触るか、ニアで潰れるかしか、ずっと考えていなかった」と、得点シーンを回想するFWは、「ニアに走ったらクニ(関口訓充)が合わせてくれたので。触るだけでした」「自分だけの力じゃない。僕はラストパスを受ける方なので、冷静に決めるだけ。何かを特別にしているわけではなく、チーム全員で取った1点だと思う」と、チームメイトへの感謝の言葉を繰り返した。

 難易度の高いボレーシュートを突き刺しながらも謙虚な1トップは、自身が得点を挙げたことではなく、試合内容を喜んだ。「内容的にはパーフェクトに近い内容だったかもしれない。最後のところで決められなかったことはありますし、2点、3点取っていればもっとラクな試合はできたと思います。それでも得点後、10分近くあって今までだと失点していたかもしれないが、後ろがしっかり守ってくれて、チーム全員で勝ち取った1勝だと思います」と、手応えを口にする。興梠のほかにも、MF柏木陽介が「理想としていた試合ができた」と言い、GK山岸範宏も「完璧な試合だった」と、異口同音に90分を振り返った。

 残り10分、1点をリードした浦和は引いて守るのではなく、それまでどおりに前からボールを奪いに行く守備で川崎Fを完封した。DF森脇良太は「夏場の試合でも行って奪うことは時間帯によってできていたけど、90分は難しかった。これからは気候も助けてくれるはず」と、涼しくなってきたことでフルタイムのプレッシングができたことを、勝因に挙げた。

 ならば11月2日のファイナルでも、この守備は継続できるはず。あとは、得点だ。ナビスコ杯4試合で5ゴールと得点を量産している興梠は、「柏は厳しい対戦だと思う。決勝まで来たら、一人ひとりがどれだけチームのために走れるか。一人が目立とうとせずに、どれだけ味方を助けられるかが大事。浦和にはチームを助けて、頑張れる選手が多い。ナビスコのタイトルを浦和に持ち帰りたい」と、新天地での初タイトルへの意欲をハッキリと口にした。

(取材・文 河合拓)

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