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柏の戦い方に疑問を呈するも敗戦…浦和DF槙野「結果がすべて」

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[11.2 ナビスコ杯決勝 浦和0-1柏 国立]

 ナビスコ杯で惜しくも準優勝に終わった浦和レッズのDF槙野智章は試合後、悔しさを滲ませながら語った。「前から(プレスに)来ずにしっかりとブロックをつくっているのを見て、今日はこういう戦い方をするんだなと。(柏は)自分たちのサッカーを捨てて、内容が悪くても結果を求めにきた。でも僕たちは自分たちがやろうとしているサッカーを貫き通したのは、評価できるかもしれないですけど、結果がすべてですね……」

 しかし、浦和がらしさを見せたのは後半だけだった。前半、柏は1トップのFWクレオを残して残りの9人がハーフライン手前まで戻り、浦和のスペースを消しにきた。浦和はDFラインでボールを回すものの、FW興梠慎三やMF柏木陽介に一向に縦パスが入らず、柏にうまく守られた。すると終了間際に一瞬の隙をついて1点を献上してしまう。2本目のシュートで1点を奪う効率のいい柏に対し、浦和は前半4本のシュート放ったもののゴールは遠かった。得点のにおいを感じさせたのは、MF原口元気のドリブル突破のみだった。

 柏の右のウイングバックとして守備に奔走し、アシストも記録していた藤田優人が後半開始から退き、代わりに本来は攻撃的な選手であるMF太田徹郎を投入。浦和は柏の右サイドを突いた。CBの槙野が高い位置をとってドリブルで切り裂いては、柏ゴール前にボールを送る。しかし、幾度となく柏の右サイドに侵入したものの、そのほとんどはチャンスに結びつかない。ゴール前に人数を裂いて固める柏に対し、浦和はラストパスの精度を欠き、シュートまでもっていけない展開が続いた。90分が終わってみれば、シュート数は1トップの興梠が1、2シャドーの柏木が1、原口は0におさえられた。

「後半に入る前のロッカールームの雰囲気もポジティブでしたし、相手が引いてくるのも想定内。こじあけられなかったのは、相手の守備がよかったというよりは、自分たちの最後のクオリティが欠けていた。(終盤は)普段やっていないようなロングボールが多くなって。自分たちは後ろからボールを保持して展開するサッカーなので……」。槙野が昨日の公開練習後に語った「敵は自分たち自身」。その戒めが敗因となってしまった。

 これまでにナビスコ決勝に5回進出している浦和だが、その成績は1勝4敗。しかも敗れた4試合は、すべて無得点で終わっている。大一番で結果を出せない浦和に対し、大一番に強い柏。そのジンクスが、そのままこの日の明暗を分けた。

(取材・文 奥山典幸)
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