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[大学MOM52]福岡大MF假屋健太(2年)_「拾う」役割遂行

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[大学サッカーマン・オブ・ザ・マッチ]
[12.26 全日本大学選手権準決勝 福岡大 2-1 駒澤大 平塚]

 1点リードを守りきり11年ぶりの決勝進出を決めた試合後、福岡大の乾真寛監督は「マン・オブ・ザ・マッチは仮屋。ほとんどのルーズボールに絡んでいたし、起用に応えてくれた」と今大会初先発で、フル出場した2年生MF假屋健太(神村学園高)の名を挙げた。
 
 MF末吉隼也(4年)とダブルボランチを組んで先発した假屋は、攻撃面で特徴を発揮する先輩MFをサポートすると同時に、役割だったセカンドボールを拾い続けた。「先発に使ってもらえたのは駒大がルーズボールに強いから。しっかり拾うように言われていた。(実際駒大は)前にかかってくる迫力とかすごかった」と180cm超の選手が揃う駒澤大のパワーあふれる攻撃を振り返ったが、役割を遂行しての勝利に「自分が出て負けたと言われたくなかったし、最低限のことはできたと思う」とホッとした表情を見せた。

 神村学園高(鹿児島)時代の06年度全国高校選手権に2年生SBとして出場し、全国4強に貢献。3年時には同校の主将を務め、U-18日本代表候補にも選出された経歴も持つMFは大きな期待をされて福大に入学してきた。だが、2年生として迎えた今シーズンは、春先に左足中足骨骨折の負傷をしたこともあり、ベンチにも絡むことのできない苦しい時期があった。
 回復後もなかなか出場機会を得られず。だが技巧派揃いのレギュラーたちに技術では及ばなくとも、彼らの守備の負担を減らす役割を果たすことで台頭してきた。出場できない間に学んだことも自分の武器にしていた。「自分はベンチの気持ちも、スタンドの気持ちも、きょう出た選手の中で一番分かっている。(きょうも)その思いを出すことを考えた」。

 07年4月のU-18日本代表候補合宿で当時福岡大の1年生だったFW永井謙佑(現3年)と出会い、福大入学を薦められたこともあり、当初考えていた関東の大学ではなく地元・九州の福大へ進学することを決意。そしてこの日、関東勢からの勝利に貢献し、九州でも十分に成長できることを自らの足で証明した。
 福大へ進学したからこそ得た日本一獲得の好機。「チャンスを生かしたい」と誓う假屋は決勝までのチーム内での競争、そして決勝の試合も制し、ピッチ上で歓喜の瞬間を味わう。
 
(取材・文 吉田太郎)


特設:大学選手権09

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