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[大学MOM_5]中央大DF山田佑介(4年)_チーム救う決勝弾

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[大学マン・オブ・ザ・マッチ]

[4.23 関東大学サッカー1部第3節 中央大 1-0 東海大 三ツ沢陸上]

 背番号2の急造CBが攻守でヒーローとなった。中央大のDF山田佑介(4年=川崎F U-18)は全日本大学サッカー選手権(インカレ)を制した昨年度の春からレギュラーを努める右SBだが、鼻骨骨折で不在のCB新井辰也(4年=日野台高)に代わり、この日はCBで先発フル出場。経験こそあるものの「慣れない」CBのポジションに加え、新井よりも12cm低い176cmという不利もあったが、東海大の長身FW早嵜大輔(3年=東海大菅生高)との空中戦で上回るなど縦パス中心の相手の攻撃を跳ね返していく。

 ただ、チームは攻撃陣が不発で0-0のまま試合終盤へ。それでも勝ち点3獲得の期待が薄れてきた後半39分、山田の一撃がチームに歓喜をもたらした。MF村田翔(4年=F東京U-18)の左CKが飛び出してきたGKの前を抜けてゴール前にこぼれる。ファーサイドから鋭く反応した山田が左足を振りぬくとシュートはゴールに突き刺さった。「DFなので点を取れる場面はセットプレーだけ。決めてやろうと。狙っていました」と殊勲者。強く拳を握り締め、雄たけびを上げてゴールを喜んだ。「(試合を振り返ると)苦しい時間にまだミスがあった。修正して成長していきたい」と課題も口にしたが、佐藤健監督は「得点取ったし、守備も良く頑張った」と山田の名をこの日のヒーローに挙げた。

 「足元がないんで気持ちだけでここまでやってきた」という山田。それでもその泥臭く戦うプレーがチームを支え、中大は昨シーズンに16年ぶりの大学日本一に輝いた。だが、功労者のひとりである山田にとっては「悔しい」日本一でもあった。理由は累積警告のため、国立競技場で行われた決勝の舞台に立つことができなかったからだ。筑波大に2-1で勝った決勝はスタンドから声援を送っていた。「昨年インカレ取ったけど、今年はリーグ制覇。そのために1試合1試合戦っていかないといけない」と話すなど最終学年の今年は関東リーグ制覇が1番の目標だが、その先のインカレで「もう一度」決勝まで進み、自らの足で日本一をつかむことも「魂のDF」は強く願っている。

(取材・文 吉田太郎)

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