[5.24 ACL決勝トーナメント1回戦 G大阪0-1C大阪 万博]

　左腕に巻いたキャプテンマークに懸けて負けるわけにはいかなかった。大一番でDF茂庭照幸が出場停止となったセレッソ大阪はDF藤本康太が公式戦5試合ぶりの先発。主将の茂庭に代わってキャプテンマークを巻いたのはDF上本大海だった。

「これで負けたら“持ってない”と思ってやりました」。そう笑った上本が守備陣を統率し、タレントぞろいのG大阪攻撃陣を完封。「一番の収穫はガンバ相手にゼロで抑えられたこと。今後、いい力になると思う」と胸を張った。

　茂庭の代役を務めた藤本は昨季のチームメイトであるFWアドリアーノに厳しく体を寄せ、自由にさせなかった。「前を向かせたら早いし、いかに距離を詰めるかだった」。時間がたつごとに相手エースが苛立ちを募らせているのは明らかだった。

「最高の気持ちです。絶対に負けたくなかったし、自分がピッチに立って勝てたのもうれしい」。藤本は会心の笑みを見せた。「茂庭さん、(上本)大海さんというすごい選手がいるけど、自分もそこに割って入る選手になりたい。ゼロに抑えられたことは自信になった」。守備の要でもある主将の不在というピンチを無失点でしのいだC大阪。藤本は「リーグ戦もあるし、ACLも次がある。日本を代表してさらに上を目指したい」と、さらなる高みを見据えていた。

[写真]勝利に歓喜する藤本(4番)

(取材・文　西山紘平)

---

▼関連リンク
ACL2011特設ページ