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[MOM120]中京大DF森本良(4年)_「セットプレーのエース」が十八番の決勝ヘッド

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.23 全日本大学選手権準々決勝 駒澤大1-2中京大 西が丘]

 文字通り攻守にチームを引っ張った。横浜FC入団が内定している中京大のDF森本良(4年)は3バックの一角として駒澤大のロングボール主体の攻撃を粘り強く跳ね返し、後半43分には自ら決勝点を奪ってみせた。

 1-1に追い付かれたあとの後半43分、延長戦に突入かと思われた激闘に終止符を打った。右サイドで獲得したFKのチャンス。MF佐藤和弘(2年)のキックに迷わずニアサイドに飛び込むと、ヘディングでゴール左隅に流し込む。森本の技ありヘッドが劇的な決勝弾になった。

 「ニアに合わせてほしいという話はしていた。信じて走ったら、いいボールが来たので。ニアのあそこは好きです」。そうはにかんだ森本に、先制点のFW藤牧祥吾(3年)は「うちのセットプレーのエースなので」と言う。空中戦で抜群の強さを発揮する貴重な得点源が、全国の舞台でも炸裂した。

 今夏の総理大臣杯決勝では延長戦にもつれ込む死闘の末、駒澤大に2-3で敗れた。因縁の相手とのリベンジマッチ。前回は5バックの守備的布陣で臨み、2度のリードを奪いながら後半45分に追い付かれ、延長戦で力尽きた。

 この日も1回戦の4バックから3バックにシステムを変更したが、両サイドを高く保ち、3バックの前にアンカーを置くことで中盤の主導権を握った。森本は「相手は蹴ってくるので、ボランチを1人置いて、中盤の走れる選手でセカンドボールを拾おうと。取ったあとはつなげるところを意識して、回せるところは回していった」と、その狙いを明かす。

 後半10分に先制後は駒澤大のパワープレーに押し込まれ、後半35分に追い付かれたが、夏の二の舞は演じなかった。「時間もあったし、顔を上げてやっていこうと。ズルズルいかなかったのは大きい」と、動じることなく、8分後の決勝点につなげた。

 森本は「リベンジできたのは大きい。(準優勝した)総理大臣杯がまぐれじゃないことを見せられたと思う」と胸を張った。1回戦で関西王者の阪南大を下し、今度は夏の王者を撃破。26日の準決勝の相手は前回王者・明治大を破った高知大だ。次々と現れる強敵にも「どんどん強いところとやっていきたい」と恐れるものはない。「相手によっても展開によっても、戦い方は変えられる」。変幻自在のサッカーで00年度以来の優勝へ突き進む。

[写真]決勝点を決めた中京大DF森本良

(取材・文 西山紘平)

第59回大学選手権特集
連載:大学マン・オブ・ザ・マッチ

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