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[MOM143]中央大DF田港周平(4年)_感謝の思いを込めた決勝ゴール

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.1 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東代表決定戦Eブロック決勝 中央大2-1(延長)順天堂大 国士舘大G]

 試合後、3年ぶりの全国出場を決めて歓喜に沸く中央大スタンド、決勝点を挙げたDF田港周平(4年=桐光学園高)へ向かって「オウンゴールでしょ?!」とチームメイトから野次が飛ぶと「そこにつめてることに意味がある!」と田港は笑顔で応えた。

 1-1で迎えた試合終了間際の延長後半10分。田港が右サイドから出したパスをFW大矢雄太(4年=桐光学園高)がスルー。FW皆川佑介(2年=前橋育英高)のパスは相手DFに当たるが、ゴール正面につめていた田港がこぼれを右足で押し込んだ。

 得点シーンについて佐藤健監督は「今年のチームコンセプトは、守備からということと攻守の切り替えの速さ。サイドの攻撃ということでプランニングしてきた。ああいうサイドからの攻撃で得点が入ったことは嬉しい」と微笑んだ。

 このゴールにはチームへの感謝の思いが込められていた。現在4年生の田港は、今ではひと段落ついたものの以前は就職活動が忙しく、ピーク時には1週間に2~3回しか練習に出れないことがあった。しかし、そのような状況下でも佐藤監督やチームは、田港をトップチームに置いてくれた。「ああいう状況でもトップでやらせてくれたのが、今の自分につながっていると思う」と話す通りだ。

 4年間の大学サッカーも今年が最後。後輩に何ができるか、何が残せるか。「今までは先輩のあとをついてきたし、ついていこうと、そう思える先輩がいた。今後は自分がそういう風になっていかないとと思う」と言う。ピッチ内にとどまらず、「フィールド以外のところでも自分を出していけたら」。最上級生としての自覚は誰よりも強い。

 出場の決まった総理大臣杯の本大会は、1年生時に経験しているため、自身二度目の舞台。しかし、当時は出場すると言われながらも、結局は出番のないまま試合が終わり、ピッチに立つことはできなかったという苦い思い出がある。だからこそ、今年こそは出場を。そんな強い思いを胸に秘めている。7月に行われる本大会で、先発メンバーとしてピッチに立つためにも、まずは目先のリーグ戦でピッチ内外問わず、存在感を発揮していくつもりだ。

(取材・文 片岡涼)
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