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[MOM87]中京大DF中田智久(4年)_元Jリーガー「もう一度プロへ」

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.4 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント1回戦 中京大 2-1 札幌大 三木防災]

 攻撃面では好調といいかねる展開の中にあって、安定した守りで中京大の危なげない試合運びを支えていたのがディフェンスリーダーのDF中田智久(4年=中京大中京高、前・ヴィッセル神戸)だ。元Jリーガーの経験と技術に裏打ちされた堅固な守りで、「よくバランスをとってくれた」(西ヶ谷隆之監督)。前半の同点ゴールの局面では、CKからのボールをペナルティエリア内でキープ。無理をせず的確にフリーのMF石原卓(2年=中京大中京高、元横浜FM)に戻してDF加藤駿一(3年=清水商高)のシュートを誘うなど、この試合では攻守両面にわたる活躍で、チームを勝利に導いた。

 それでも、西ヶ谷監督同様この試合の内容に満足しているわけではない。「相手の情報がなかったので、立ち上がりは裏に抜けるシンプルなプレーを心がけていたが、ボールをつなげるところを簡単に蹴ってしまったり、相手が前がかりになってきているところで裏に蹴ってボールを失ったりしていた。それが攻撃のリズムを作れない原因。もう少し前でキープしてつなげたら、もっと楽な試合運びになっていたはず」。

 06年から2年間は神戸でプレーしていたが、08年に休学していた中京大に復学し、同時にサッカー部に入部。以来、長身とヘディングの強さを武器に中京大の中心選手として活躍してきた。今春に行われた地域選抜チームの大会・デンソーチャレンジサッカーでは、クレバーかつ安定感のある守備で東海・北信越選抜の優勝に大きく貢献。全日本大学選抜にも選ばれた。だが、中京大の選手としては全国タイトルとは無縁のまま。「いろいろな経験をして、大学からもう一度プロへ」という望みを叶えるために、この大会で結果を残すことが絶好のアピールになる。次戦の相手は、注目のFW永井謙佑(4年=九州国際大付高)擁する福岡大。再びプロになるために「絶対的な自分の武器を身につけたい」という中田にとって、永井のスピードをいかに封じられるかが、今後に向けての大きな指針となるはずだ。

(取材・文 飯嶋玲子)

総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント特設ページ
連載:大学マン・オブ・ザ・マッチ

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