beacon

[MOM88]福岡大FW永井謙佑(4年)_注目のスピードスターがまず1得点

このエントリーをはてなブックマークに追加

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.4 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント1回戦 流通経済大 2-3 福岡大 三木防災]

 「コンディション的にはいつもの6割程度。90分を走り切るスタミナがないことはわかっていたが、思った以上に走ってくれた。“永井効果”はあったと思う」。福岡大・乾真寛監督は、南アフリカから戻って3日目にしてフル出場をはたしたエースFW永井謙佑(4年=九州国際大付高)をそう労った。

 帰国による時差ボケはもちろん、1ヶ月以上フル出場していない不安はあった。それでも「練習試合ばかりだったので、90分試合ができてうれしい」。確かに、特徴である目を見張るばかりのトップスピードからシュートを放つシーンは少なかったが、その存在感で流通経済大守備陣にズレを生じさせ、前半の2得点に大きく貢献。得点こそPKによる1ゴールに留まったものの、自分にマークをひきつけることでたびたびU-19日本代表FW清武功暉(2年=大分U-18)、MF黒木恭平(3年=専大玉名高)らのスペースを前線に作った。“永井効果”は相手チームに対してばかりではなく、味方にも大きく影響。ここしばらく得点力不足に陥っていたチームに3得点という結果を呼び寄せた。

 昨年まではそのスピードばかりが注目されていた永井だが、W杯サポートメンバーとして世間の耳目を集める存在になったことで、精神的にも大きく成長。試合の2日前に行われた練習試合では、久しぶりに見るチームの“緩さ”に思わず激を飛ばしたという。どちらかといえば“やんちゃ”なイメージの強い選手だけに、意外な感もするが「昨年のメンバーが抜けて、スタメンの4年もふたりだけ。下級生を引っ張ろうとしても苦労する部分があったが、今日は(2年生の)牟田がキャプテンマークをまいたことで、チームに統一感が出た。意識が高まったことで、全体的に声が出ていたと思う」と“最上級生”らしさをのぞかせた。

 南アでは日常的にフル代表のメンバーと対峙。その中で「相手の寄せが速いので、(ボールを)受けようとしたところで失うことが多かった」と、改めて自らの課題が浮き彫りにもなった。この試合でも、「受けたところで失って、ピンチを招いたことが何回かあった」と意識の高さをのぞかせる。09年大会では全試合得点で優勝に大きく貢献しただけに、今年はそれ以上の期待がかかる大学界切ってのスピードスター。まずは1点。ここから、今年はあと何ゴールを積み重ねていくのか。南アの「おみやげ」に期待したい。

(取材・文 飯嶋玲子)

総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント特設ページ
連載:大学マン・オブ・ザ・マッチ

TOP