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U-23代表はドローで首位突破、44年ぶりベスト4懸けてエジプトと対戦へ

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[8.1 ロンドン五輪D組 日本0-0ホンジュラス コベントリー]

 U-23日本代表は1日、ロンドン五輪グループリーグ最終戦でU-23ホンジュラス代表と対戦し、0-0で引き分けた。2連勝で3大会ぶりのグループリーグ突破を決めている日本は先発5人を入れ替え、引き分け以上で首位通過が決まる一戦に臨んだ。3連勝はならなかったが、守備陣は3試合連続の無失点。スコアレスドローで勝ち点1を上積みし、2勝1分の勝ち点7で首位突破を決めた。銅メダルを獲得した1968年のメキシコ五輪以来、11大会ぶりのベスト4進出を懸け、8月4日の準々決勝ではC組2位のエジプトと対戦する。

 日本は7月29日のモロッコ戦(1-0)から先発5人を変更し、MF村松大輔、DF山村和也、MF宇佐美貴史、FW杉本健勇、FW齋藤学が今大会初先発。村松は右SB、山村はボランチに入り、2列目は右から宇佐美、FW大津祐樹、齋藤と並んだ。1トップは杉本。26日のスペイン戦(1-0)で左足首を捻挫したDF酒井宏樹はモロッコ戦に続いてベンチスタートとなった。
 ホンジュラスはMFペラルタとオーバーエイジのMFエスピノーサが累積警告で出場停止。オーバーエイジのDFフィゲロアは左SB、同じくFWベングソンは2トップの一角で3試合連続で先発した。
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 試合前にC組が全日程を終え、ブラジルの1位、エジプトの2位がすでに決まっていた。準々決勝でブラジルと対戦するのを避けるためにも、是が非でも引き分け以上で首位通過を決めたい一戦。一方のホンジュラスは引き分け以上でグループリーグ突破が決まる。ホンジュラスも勝てば首位となるが、まずは互いに負けたくないという意識が先に出た試合となった。

 立ち上がり、攻守でミスの目立った日本はなかなかリズムに乗れない。それでも前半14分、大津が敵陣深くまで相手CBにプレッシャーをかけてクリアボールに体を当てるなど奮闘。同16分にはDF酒井高徳からの縦パスを受け、自ら左足ミドルを狙った。

 試合はこう着状態に入り、ホンジュラスは前半20分、FWロサーノが中央をドリブルで駆け上がり、ミドルシュートを狙うがゴール上へ。日本も同28分、宇佐美からパスを受けた齋藤が左サイドからカットイン。エリア外から右足を振ったが、シュートはミートしなかった。

 前半31分にはカウンターからピンチを招いた日本。MFナハルが日本の左サイドから駆け上がるが、折り返しはDF鈴木大輔がスライディングでCKに逃れる。ホンジュラスは同39分、前線に浮き球のボールを送ると、ゴール前に走り込んだベングソンが胸トラップから右足でシュート。決定的な場面だったが、ここはGK権田修一が右手1本でビッグセーブを見せ、ゴールを死守した。

 前半終了間際には両チームがセットプレーのチャンスを迎える。ホンジュラスは前半42分、ゴール正面の位置からフィゲロアが左足で直接FKを狙うと、ホンジュラスの選手に当たってコースの変わったシュートを再びGK権田がセーブ。日本も同44分、宇佐美の右FKにファーサイドの杉本がヘディングで合わせたが、シュートはDFがブロックした。

 0-0で折り返した後半も静かに進む。後半5分に大津が右足ミドルを狙うが、ゴール上へ。その後も決定機らしい決定機はなく、時間が経過していった。日本は後半22分、大津に代えてMF清武弘嗣を投入し、最初のカードを切る。清武は右サイドに入り、宇佐美がトップ下、大津が1トップにポジションを移した。

 このまま0-0でもいいが、1点を取って首位通過を確実なものにしたい日本は徐々にゴール前に迫るシーンをつくっていく。しかし、個人での仕掛けが多く、またラストパスもかみ合わず、連動した形での決定機までには至らなかった。

 日本は後半36分、齋藤に代わってFW永井謙佑がそのまま左サイドに入る。直後のFKの場面では、宇佐美が右足で直接狙ったキックに対し、前に出ていたGKが戻りながらパンチング。後半38分には清武の大きなサイドチェンジから永井が左サイド角度のない位置からシュートを狙ったが、GKに抑えられた。

 後半42分には足をつった大津に代えてMF東慶悟を投入する。1点は取れなかったが、2試合連続完封中の守備陣が最後まで集中力を切らさず、少ないピンチの場面にも冷静に対応。失点しなければ首位突破が決まるという“任務”をきっちりとこなした。

 結局、試合は0-0のスコアレスドローで終了。3試合連続無失点で2勝1分の勝ち点7に伸ばした日本はD組首位を確定させた。これで狙いどおり、準々決勝でのブラジル戦を回避。44年ぶりのベスト4進出を懸け、4日の準々決勝ではエジプトと対戦することになった。

(取材・文 西山紘平)

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