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なでしこが五輪初のメダル獲得!!フランスとの死闘を制し初の決勝へ

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[8.6 ロンドン五輪準決勝 日本2-1フランス ロンドン]

 なでしこが五輪初のメダルを獲得!! 2大会連続の準決勝進出を決めた日本女子代表(なでしこジャパン)は6日、ロンドンのウェンブリースタジアムでフランス女子代表と対戦し、2-1で競り勝った。前半31分、MF宮間あやのFKから相手GKのミスを突き、FW大儀見優季(旧姓・永里)が2戦連発となる先制点を決めると、後半4分にはMF阪口夢穂が追加点。その後は猛攻を浴び、後半31分に1点を返されたが、フランスのPK失敗もあり、2-1で逃げ切った。五輪史上初の決勝進出を決め、これで銀メダル以上が確定。悲願のメダル獲得を決めたなでしこジャパンは9日の決勝でアメリカと対戦。昨年の女子W杯に続く世界一の栄冠を目指す。

 日本は3日の準々決勝・ブラジル戦(2-0)と同じ不動のイレブンが先発。フランスには大会直前の親善試合で0-2で敗れているが、当時は右サイドハーフだったFW大野忍が2トップの一角、FWだったMF川澄奈穂美が中盤の左サイドに入り、英国入り後採用している布陣でこの日も臨んだ。
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 立ち上がりは拮抗した展開が続いた。日本は川澄がサイドから積極的に仕掛け、チャンスをうかがうが、相手ゴール前になかなか人数をかけられない。宮間からの一発の長いパスもわずかに合わず、シュートまで持ち込めなかった。一方のフランスは1トップのFWデリエが起点となり、高さと強さで迫力のある攻撃を見せるが、日本のDF陣もゴール前で体を張る。前半7分にMFネシブ、同15分にFWトミス、同25分には再びネシブとシュートを狙うが、いずれも遠めで、日本ゴールが脅かされるほどではなかった。

 すると前半31分、日本がフランスのミスを突き、先制に成功する。ハーフウェーラインを少し越えた位置からのFK。宮間が強い弾道のボールをゴール前に入れると、キャッチしようとしたGKブハディがまさかのファンブル。後方にこぼれたボールに大儀見が詰め、フランスはゴールライン上でMFスベイランが必死のクリアを見せるが、ボールはゴール前に倒れ込みながら詰めていた大儀見の足に当たってゴールへ。大儀見が執念で押し込み、先制点を奪った。

 その後はフランスが反撃を強めるが、日本の守備陣が粘り強く跳ね返す。前半38分、トミスからの鋭いクロスボールはGK福元美穂が果敢に飛び出し、パンチングでクリア。ロスタイムにはDFフランコの折り返しをエリア内で受けたデリエが右足でシュートを打ったが、DF岩清水梓が体を張ってブロック。日本が1点リードを死守し、後半に折り返した。

 後半開始早々、日本が追加点を奪う。先制点の場面と同じような位置からのFK。宮間からのボールに今度はGKも飛び出さない。すると後方から走り込んだ阪口が体を投げ出しながらヘディングシュート。ゴール右隅へ流し込む鮮やかなヘッドで2-0とリードを広げた。

 追い込まれたフランスは後半6分、スベイランの右CKをGK福元が弾いたこぼれ球をMFブサグリアがシュート。DFがブロックしたボールを今度はフランコが狙うが、シュートはゴール上に浮いた。同8分にはブサグリアからのスルーパスにデリエが反応。PA内右の角度のない位置から右足を振り抜いたが、GK福元が鋭い反応で弾いた。

 攻勢を強めるフランスに対し、日本も我慢強く対応する。フランスは後半15分、右CKをニアでそらし、ファーサイドのフランコがシュートを狙うが、これも岩清水が体を投げ出してブロック。同26分には右サイドからフランコがグラウンダーのアーリークロス。PA内でトラップしたネシブが右足を振り抜いたが、GK福元が左手でファインセーブ。しっかりとボールをキャッチした。

 フランスの猛攻に耐える日本は後半29分、大野に代えてFW安藤梢を投入し、最初のカードを切る。ところが後半31分、ついにフランスがゴールをこじ開ける。高い位置でこぼれ球を奪ったデリエが右サイドのトミスに展開。マイナスの折り返しを途中出場のFWソマーが右足で蹴り込んだ。

 1点を返し、勢いに乗るフランスは直後の後半33分、左サイドからソマーがドリブルで仕掛け、DF近賀ゆかりをかわしてPA内に進入する。カバーに入った阪口は思わずファウル。PKを与えてしまった。ところが、キッカーを務めたブサグリアがまさかの失敗。GK福元は逆を突かれていたが、シュートはゴール右に外れた。

 九死に一生を得た日本。後半39分には阪口に代えてMF田中明日菜を投入するが、その後もフランスに押し込まれる展開が続いた。それでも必死のディフェンスで1点のリードを守り抜く。再三のクロスボールやロングボールにもGK福元が体を張ってパンチング。ギリギリのところで跳ね返した。

 後半45分にはカウンターから大儀見が相手陣内を独走。PA内に進入し、GKと1対1を迎えたが、右足のシュートは右ポストを弾いた。3点目を取って突き放すことはできなかったが、ロスタイムの4分間も守備陣が耐え抜き、2-1で逃げ切り勝利。なでしこジャパンが五輪で初の決勝進出を決め、悲願のメダルを獲得した。

(取材・文 西山紘平)

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