beacon

[大学MOM42]明治大GK高木駿(2年)_自ら左足でケリ

このエントリーをはてなブックマークに追加

[大学マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.19 全日本大学選手権1回戦 明治大0-0(PK5-3)仙台大 平塚]

 自分の左足でケリを付けた。0-0のままPK戦に突入すると、4-3で迎えた先攻5人目。決めれば勝ちという大事な場面で明治大のキッカーを務めたのは、なんとGK高木駿(2年)だった。

 プレッシャーもなんのその。左足を振り抜いたシュートは豪快にゴールネットに突き刺さる。ゴール前ではなく、ペナルティースポットでガッツポーズを見せる守護神にチームメイトが駆け寄り、次々と歓喜の抱擁をかわした。

 「PKは蹴るのも、止めるのも、得意。自信を持っている」。高木はそう言って胸を張った。明治大はPK戦になると毎回、延長戦終了後に選手が立候補する形でキッカーの順番を決めている。高木は自ら「5人目、行きます」と手を上げ、キッカーを直訴した。

 東京Vユース時代もPK戦になると必ずキッカーを務めてきた。神川明彦監督も「外したのは見たことがない」と絶大の信頼を寄せる“PKの名手”。GKがキッカーを担うのはめずらしいが、高木の自信には根拠もある。

 「自分はGKだから、蹴られる側のGKの気持ちもよく分かる。PKはなんだかんだ言っても、入れる方が簡単。枠内に強いボールを蹴れば、GKは止められない。実際、練習で自分がGKのときに弾丸シュートを蹴られると、“止められないよ”って思うので」

 有言実行。この日も豪快な弾丸シュートでチームを勝利に導いた。「チームとしてはPK戦になったらいけないんだけど、個人的にはPK戦になるのはうれしい。笑いが出るぐらいです」。初戦のプレッシャーに押しつぶされそうになったチームを、強心臓の守護神が救った。

<写真>明治大GK高木駿はPK戦で5人目のキッカーとして成功し、ガッツポーズ

(取材・文 西山紘平)

特設:大学選手権09

TOP