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[MOM92]国士舘大FW田中俊哉(3年)_国士舘大快進撃の原動力

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.6 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント準々決勝 明治大 0-2 国士舘大 長居第2]

 ベスト4へと進出した国士舘大の快進撃。その原動力となっているのがFW田中俊哉(3年=札幌一高)だ。初戦の大阪体育大戦では、勝ち越しゴールを決め、続く準々決勝では、昨年度インカレ王者の明治大相手に1ゴール、1アシストの活躍をみせた。2戦連続のゴールにも、本人は「うまくないんで、勝手にボールが来るだけです」と話すが、ポジションへの入り方に上手さがあり、ボールへの嗅覚が抜群だからこそ、ここまで結果を残している。

 今回リーグ以来の再戦となる明治大戦に、国士舘大の選手は「あの時は悔しかったからリベンジ」と口を揃えたが、田中は少し違った。リーグでの明治大戦。田中は違う場所で、国士舘大のために働いていたのだ。

 それは、大学パンフレットの撮影。容姿端麗な田中はパンフレットのモデルに大抜擢。チームを離れることには気が引けたが、これも国士舘大生としての誇りある仕事。しっかりとこなした後で、チームメイトから試合展開や結果を聞いた。そして、「試合は見れてないけど、みんなが悔しい、悔しいって言ってたんで、次に当たったら絶対に勝とうと思いました」という意気込みで、試合に出ると、1ゴール1アシストの活躍。「点が取れたのは本当に嬉しい」と笑顔をみせた。

 総理大臣杯での活躍を見ると、ここまでもコンスタントに出場してきたかと思われがちだが、実は今年初めに1ヵ月半もサッカーから離れている時期があった。在籍する学部のカリキュラムで、中国へと短期留学。今年の2月から3月末までを中国で過ごした。その間、「ほとんどサッカーはしていなかった」。帰国後、チームへ合流するも、しばらくはメンバーへ入ることなく、コンディションの回復に励んだ。その後、リーグ戦中盤で、出場機会を得ると、4得点を挙げ、総理大臣杯には「先発FW」として乗り込んできたのだ。そして、ブランクを感じさせないプレーでチームを勝利へと導いている。

 国士舘大の“顔”として働いた次は、国士舘大のサッカー部の“顔”に。ゴールを狙い、「ここまできたら優勝したい」とチームを日本一に導いていくつもりだ。
 
(取材・文 片岡涼)

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