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[MOM96]中京大MF中村亮太(2年)_初の決勝導く“ラッキーボーイ”

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.8 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント準決勝 国士舘大 0-1 中京大 長居2]

 今大会、中京大のラッキーボーイといっていい存在がMF中村亮太(2年=中京大中京高)だ。1回戦の札幌大戦では、決勝ゴールとなる2点目をアシスト。準々決勝ではFKを直接ゴールに叩き込んで同点に追いつき、PK戦で優勝候補の福岡大を沈めた。そして準決勝の国士舘大戦。今大会初めてのベンチスタートとなった中村だったが、後半早々に投入され、10分もしないうちに先制点をあげる活躍を見せた。1回戦から準決勝までの3試合で2得点1アシスト。どちらかといえば攻撃的で、ゴールを量産するといったタイプのチームではない中京大にとって、すべての試合で得点に絡んでいる中村の存在は大きい。

 だが、実は準決勝でFKを直接決めたのは、ちょっとした偶然からだった。本来ならFKを蹴るのは佐藤和弘(2年=磐田ユース)の役目。しかしトリックプレーをしようとして失敗。それならば、ということで中村が蹴ったFKが貴重な同点弾となったのだ。
 国士大戦も、本来なら投入はもっと遅い時間のはずだった。「亮太は連戦で疲れがあったし、彼のパワーを使うためにはもうちょっと(時間を遅くまで)ひっぱろうと思っていた。ただ(石原)卓がもう動けなくなっていたので……」(西ヶ谷隆之監督)。ところが、国士大が中京大の攻撃的シフトに対応しきれていない、速い時間帯に投入されたことで中村の突破力が生き、結果としてゴールにつながった。
 ラッキーボーイには実力はもちろんのこと、“運”も必要。今流行りの言葉でいうならば、中村は“何か持っている”ということになるだろう。

 この大会が始まる前、リーグ戦では途中出場が多かっただけに、スタメンと途中出場のどちらにもこだわらないという。「出たら結果を出す。それだけ」。もっとも、リーグ戦では、準決勝と同じような形のシュートを外していただけに「いい結果を出せてよかった。ホッとしています」と笑う。
 次は初の全国大会決勝という大舞台。緊張感より「むしろワクワクする」。もちろん、狙うは優勝。そのためにも3戦連続ゴールを狙いたい。

(取材・文 飯嶋玲子)

総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント特設ページ
連載:大学マン・オブ・ザ・マッチ

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