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[MOM127]関東A FW安柄俊(中央大)_“テセ2世”目指すストライカー

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.4 デンソーカップチャレンジ1回戦 関東A選抜2-1中国・四国地区選抜]

 個の力で貴重な決勝点を奪った。関東選抜AのFW安柄俊(中央大2年=東京朝鮮高)は1点リードの前半33分、前線のチェイシングで相手DFからボールを奪取。慌てて詰め寄ろうとするDFよりも早くボールをコントロールしてシュート体勢に持ち込むと、倒れ込みながらも左足を正確にミート。鮮やかにコースを突き、ゴールネットを揺らした。

 チームメートから祝福された安は「その前に2回、大きなチャンスがあったが、力んで外してしまった。ゴールの時は無我夢中だったけど、あのコースにさえ飛ばせば入ると思ったし、左足の方が余計な力を入れずに打てる時がある」と、喜びよりは安堵感の大きい笑顔を見せた。試合内容は後半に大きく変わり、大苦戦の末の勝利だったからだ。しかし、神川明彦監督が「FWの強さが生きた」と話したように、攻勢のうちに奪い切った2点目が、結果的にはチームを救った。

 183cmと恵まれた体躯を生かしたパワフルなプレーが持ち味だ。「多少強引にでも打ち切るところとヘディングが武器。今は(スペイン代表の)ビジャを参考にして、自分に足りない動き出しの部分を良くしたいと思っています」と、さらに磨きをかけていく。当面の目標はJクラブ入団。将来の夢は、北朝鮮代表入り。鄭大世(ボーフム)、安英学(柏)とJクラブ育ちの選手がW杯出場を成し遂げたことに刺激を受けた面もある。「W杯を見て、良い刺激を受けた。テセさんはドイツへ渡ったけど、仙台の梁勇基さんも含めて、みんなJではトップクラスの選手として活躍している。そういう部分は自分にとっては、プラスになる」と、同じ道を歩む決意を固めている。夢の実現に向け、Jスカウトが一堂に会する今大会は、自身をアピールする格好の舞台。「決勝戦で全日本選抜と対戦して勝利したい。個人的には1試合1得点が目標」と、次なる一歩へ新たな闘志を燃やした。

(取材・文 平野貴也)
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