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[MOM128]九州MF黒木晃平(佐賀大)_圧勝劇の指揮者

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.4 デンソーカップチャレンジ1回戦 九州選抜6-0北海道・東北選抜]

 容赦のないタクトで試合をコントロールし続けた。チームを率いる笛真人監督が、6発大勝を飾った初戦のMVPに挙げたのが、ボランチのMF黒木晃平(佐賀大3年=大津高)だった。

 サイドを制圧し続けたのは、黒木のゲームメークによるところが大きかった。指揮官は「あの安定感は、さすが。頭の良い選手で、試合の流れを読むことができる。もう少しファイトもできればと思うところはあるけど『ここが勝負所だ』というところで力を発揮できる選手」と評価を話した。

 結果的には大量得点となったが、最初の号砲を鳴らしたのは、ほかでもない黒木だった。2トップへ積極的に縦パスを入れ、相手の守備陣を中央へ寄せてはサイドへ展開。15分、FW石津大介(福岡大)が右サイドに流れてボールを受けると、相手が釣り出された瞬間にゴール前へ侵入し、ゴール中央へのラストパスを左足で合わせてネットを揺らした。

 昨年、サガン鳥栖の特別強化指定選手となり、Jデビュー。7試合に出場を果たした。今季も同様の形でJと大学の舞台を行き来する。4月からは最高学年の4回生。卒業後、プロの世界の即戦力となることを期待する声も少なくない。
 九州選抜に彼を招集した笛監督も、その一人に挙げられるだろう。今大会では、彼にキャプテンマークを預けた。だからこそ課題も突きつける。「鳥栖でも試合に出ているし、力はある。ただ、まだボールがないところで少しサボっているのか、休んでいるのか、動きが物足りないと感じる部分がある。そういうところがなくなれば……伸びしろのある選手だと思いますよ」と期待のこもった注文をつけた。チームは準決勝で実力派選手のそろう関東選抜Aと対戦する。勝てば決勝進出。黒木がどんなゲームメークを見せるか楽しみだ。

(取材・文 平野貴也)
第25回デンソーチャレンジ堺大会特集

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