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[MOM136]流通経済大MF椎名伸志(2年)_名門の中心へ

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.21 関東大学1部リーグ第4節 流通経済大2-0青山学院大 江戸川]

 試合後、ヒーローの口からは反省の弁ばかりが口をついた。「ゴール以外は全然ダメでした。全てのプレーの質も低いし、ゴール決めていなかったら本当に何もしないところだった」。千金ゴールを決めても取り戻したという実感はない。流通経済大のMF椎名伸志(2年=青森山田高)の表情は最後まで曇ったままだった。

 3トップの右FWとして先発した椎名は0-0の後半23分、PAで仕掛けたMF大貫彰悟(3年=F東京U-18)の折り返しのこぼれ球を左足でゴールへと押し込み先制ゴール。今季初ゴールでチームに歓喜をもたらしたアタッカーは39分にもMF中山雄登(2年=広島ユース)とのサインプレーからPAへ送られたループパスを足元で収めると、強引にDFの前に身体をねじ込みPKを獲得した。

 相手の好守に悩まされていたチームを救う活躍。ただ本人は「ゴール決めてからやっと肩の荷が下りたというか。取ってからようやく自分からアクションかけたり動きをよくすることができた。でも自分がもっとよさを出して、動いて、受けて、出してというところを前半から出していれば、もっと前半から活性化できたと思うし、それを最初からやらないとこれから先、試合に出続けることは難しいと思う」と反省のことばを連発していた。

 青森山田高の司令塔として09年度の全国高校選手権で決勝進出。左足前十字じん帯断裂の大怪我から復帰してチームを青森県勢初の決勝へ導いた椎名は大きな注目の中で大学サッカー界を代表する強豪、流通経済大に加入した。だが、高校時代に怪我から復帰するまで無理したことが祟り自身は出遅れ、チームも低迷。全日本大学選抜入りこそしたものの、大きなインパクトを残すまでには至らなかった。

 今年は言い訳のできない2年目。だからこそ「つくりの部分だけでは物足りないし、目に見える結果を残していかないと評価もされない。こだわっていきたい。そして自分が周りを動かすんだという意識をもってやることが必要。(下級生で)試合にも出してもらっている。周りからの信頼もされないといけない。このチームの中心になれるくらい努力して試合に出続けたい」と高い目標を掲げて挑戦し続けている。ゴール、アシストでよりインパクトのある活躍を。チームの中心へと成長する注目のレフティーが、U-22日本代表3選手を擁する流通経済大をこれから動かしていく。

(取材・文 吉田太郎)
連載:大学マン・オブ・ザ・マッチ
大学サッカー特設:関東1部

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