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[MOM148]大阪体育大DF馬場将大(3年)_「ここで結果を出したかった」SBが決めた殊勲の直接FK弾!!

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.9 総理大臣杯・決勝 大阪体育大1-0中央大 金鳥スタ]

 値千金のゴールを決めたのは大阪体育大のDF馬場将大(3年=大塚高)だった。左SBで先発し、ここまでの全3試合では黒子役に徹していたが、決勝戦の大舞台でチームを勝利に導く鮮やかなFKを決めてみせた。

 前半31分、PA外右からのFKを左足で蹴りこんだ。放たれたボールは壁の上を抜け、上手く空いたスペースへ入っていくと、ゴール前の中央大DF陣はお見合い状態。最後は相手GKの頭上を越えて、ゴールネットへ吸い込まれた。「誰かに合わすことも考えたが自信はあった。誰も触らずに入ったのは良かったです」と馬場は笑顔で振り返る。

 中学、高校と全国出場の経験は無く、今回が初めての全国の舞台。だからこそ「緊張はあった」という。決勝戦までの全3試合に先発フル出場。「自分は起点になれるように、しっかり走って。チームのために犠牲になるつもりでやっていた」と話したように、中1日での連戦と過酷な日程のなか、運動量が必要とされるSBのポジションで奮闘してきた。チームから信頼され、コンスタントに出場を重ねていたが、「この大会の準決勝までは個人としては結果が出なくて……」とアシストやゴールなど、目に見える結果を残せていないのが心残りだった。だからこそ、待望のゴールが決勝点となったことに「結果を出して勝てたことが本当に嬉しい。良かった」と安堵の表情を浮かべていた。

 どうしても結果が欲しかった理由がある。昨季まで大阪体育大のSBといえば、今季G大阪入りを果たしたDF藤春廣輝だった。その藤春が卒業し、空いたポジションに起用されたのが馬場だったのだ。「藤春さんが抜けて、自分が出るようになって、チームの力が落ちるって思われたら嫌だった。監督も我慢して使ってくれていると思うので。ここで結果を出して認めてもらえたらと思った」。決勝へ懸ける強い思いが胸にあった。そして殊勲の決勝点。「まだ優勝の実感がないんです」と馬場は微笑んだ。

 今後へ向けては「4回生を中心に攻撃力もそうですが、守備からしっかりとチームをつくって、リーグ戦で結果を残して。インカレの決勝にも出場したい」。初めての全国で頂点に立つ喜びを味わった。それを一度で終わらせるつもりはない。大阪体育大のSBといえば馬場といわれる日が来るまで、ひたむきに活躍を続けていく。

(取材・文 片岡涼)
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連載:大学マン・オブ・ザ・マッチ

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