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“インザーギ・トレ”で2得点の川崎F小林。本家同様に“投げキッスパフォ”も披露

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[7.27 ナビスコ杯1回戦第2戦 川崎F3-1広島 等々力]

 川崎フロンターレが前年準優勝の広島を3-1、2戦合計5-3で下して2回戦に進出した。大きく貢献したのはFW小林悠だ。前半10分に先制点を決めると、後半17分には3-1とダメを押すゴールを決めた。その際、いずれも人差し指にキスをし、投げキスのように天に突き刺した。もしかして、恋人へ? いやいや、あの伝説的ストライカーの真似だった。

「昨日、インザーギのDVDを見ていたら、やっていたのでやりました」

 あのミランで活躍している元イタリア代表FWフィリッポ・インザーギだった。FW矢島卓郎が怪我で離脱したため、23日のリーグ戦・新潟戦に続き先発が決まっていた小林。新潟戦では無得点に終わり、チームも0-1で負けて悔しい思いをしていた。それを払拭すべく、イメージトレーニングを敢行。かねてから憧れているインザーギのゴールシーンを焼き付けた。それが形になって現れた。

 パフォーマンスだけでなく、プレーもインザーギのようだった。「最初はやばいかなと思ったけど、いいところにボールが転がって来ました」 。前半10分の先制点は、田中裕介のシュートが弾かれたあとを押し込んだが、オフサイドぎりぎりで抜け出して決めた。DFラインとの駆け引きは、本家の持ち味でもある。

 そして2点目が、さらに本人に近かった。ゴール中央からの登里享平のスルーパスに抜け出し、左足で決めた。「やっと自分の形で取れた。ノボリとは、最近よく練習でやっている。イメージ通りです」。本人も自画自賛の一発。瞬時のスピードを生かした裏への飛び出しも、インザーギの得意とするプレー。少し言い過ぎかもしれないが、この日のゴールシーンは、本物が乗り移ったような形だった。

 リーグ戦での8得点と、この日のナビスコ杯の得点を加え、これで今季公式戦通算10得点とした。この数字はACL組で中東移籍した前G大阪のアドリアーノを除くと、甲府FWハーフナー・マイクと共にNO・1の数字だ。くしくもこの日は、日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督が視察していた。可能性は高くないが、あす28日に発表が予定されている日本代表候補合宿への招集も期待される。

 小林は「代表とかは特に考えていないです。チームでしっかりやるだけです」とコメントしたが、まだ23歳と若く、その得点感覚がアジア、そして世界を体感することで、どこまで磨かれるか見てみたい気もする。いずれにせよ、今後の成長が期待されるストライカー。この日真似したインザーギのような選手を目指し、ますは川崎Fでレギュラーを奪う。

[写真]2得点の小林

(取材・文 近藤安弘)

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