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清武2発&決勝弾、C大阪が乱打戦を4-3で制して先勝!

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[9.14 ACL準々決勝第1戦 C大阪4-3全北現代 長居]

 AFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の準々決勝第1戦が14日に行われ、日本勢で唯一勝ち残っているセレッソ大阪がホームの長居スタジアムで全北現代(韓国)と対戦した。打ち合いとなった中、C大阪は常に全北現代に先手を許す苦しい展開だったが、3-3の後半36分にMF清武弘嗣が逆転弾を決め、4-3で先勝した。清武はこの日2ゴールの大活躍だった。第2戦は27日にアウェーで行われ、C大阪は引き分け以上で準決勝進出となるが、負けた場合はこの日の3失点が大きくのしかかってくる。

 C大阪は4-5-1を採用。GKはキム・ジンヒョン、DFラインは右から酒本憲幸、茂庭照幸、上本大海、丸橋祐介。ダブルボランチは扇原貴宏とキム・ボギョンが組み、2列目は流動的に動いたが、右に清武弘嗣、左に倉田秋、トップ下にファビオ・ロペスが入った。1トップは10日の広島戦でハットトリックと好調の播戸竜二が務めた。

 相手の全北現代はグループリーグでも激突し共に1-0のスコアで1勝1敗だったが、現在はKリーグで首位を快走中。システムは4-1-4-1で1トップには元韓国代表FWイ・ドングッが君臨し、2列目の中央には突破力のあるルイスが入り、左サイドにはエニーニョ、右サイドには中国代表MF黄博文と実力者が顔を揃えた。

 ホームで先勝したいC大阪。開始2分、好調の播戸が魅せた。左サイドからの低いクロスに、中央で思い切りよく左足ダイレクトボレー。しっかりと抑えて右下を狙ったが、これはわずかに外れた。前半3分にはPA左付近から清武がシュート。右に外れたが、リズムよくシュートを打った。

 順調な立ち上がりかと思われたが、全北現代の個人能力の高さに屈し、早い時間に失点してしまった。前半6分、中央でイ・ドングッが体の強さを発揮してキープし、PA正面のルイスへ。ルイスは巧みなキープでマークを交わし、右横をすり抜けたイ・ドングッへリターン。ストライカーは右足で丁寧に流し込んだ。

 C大阪はやや攻め込まれる時間があったが、ショートカウンターで反撃に出る。前半12分にはPA中央やや右で、浮き球パスにファビオが抜け出し、GKと1対1から足を伸ばした。惜しくもこれは相手GKのファインセーブに阻まれた。同16分には右サイドからのクロスの跳ね返りに、清武がオーバーヘッドシュート。大きく上に外れたが、攻撃にC大阪らしさが出始めた。

 前半20分、C大阪は危ない場面を迎える。PA左からフリーでエニンヨに強烈なミドルを打たれた。ボールはわずかに上でクロスバーをかすめたが、会場にはC大阪サポーター悲鳴が響いた。そんな中、好調なベテランストライカーがC大阪を同点に導いた。

 前半29分、清武弘嗣がドリブルからPA右のキム・ボギョンにパス。キムはドリブルで仕掛けて一人交わして中央へ。これに播戸竜二が飛び込んで左足を合わせてゴールネットに突き刺し、1-1とした。同32分、播戸が激しいファールで倒され、両チームがにらみ合う場面もあったが、播戸の同点弾をきっかけにC大阪が勢いに乗る。

 前半34分、逆転のチャンスを迎えた。中央でパスを受けた播戸が左サイドの清武にラストパス。A代表&U-22代表を兼ねるアタッカーはドリブル突進から右足を振り抜いた。“1点モノ”といえ、誰もが逆転を信じていたが、惜しくもシュートはわずかに右に外れ、絶好機を逃してしまった。

 前半39分には、PA左で倉田がファビオの落としたボールから、積極的なミドルシュートを放ったが、大きく上に外れた。前半のロスタイムは1分。ここでC大阪に悪夢が起きる。同46分、ゴール右付近のこぼれ球から全北現代FWイ・ドングッがシュート。これが決まってしまい、土壇場で1-2と勝ち越され、前半を折り返すことになった。

 後半、ともにメンバー変更なくスタートした。開始6分、ゴール中央で清武が左足でシュート。これは左に外れたが、後半11分、若きアタッカーが値千金の同点弾を決めた。右CKのチャンスで、酒本のキックに清武弘嗣が大型DFの背後のスペースに入り込んでジャンプ。フリーでヘディングシュートを叩き込み、再び2-2の同点に追い付いた。

 しかし、守備に難のあるC大阪は、すぐさま失点を許してしまった。歓喜から2分後の後半13分、右CKからDFのチョ・ソンファンにヘディングシュートを決められ、2-3と勝ち越された。だが、この日のC大阪はどこまでも食らい付く。

 後半18分のゴール前でのFKの場面、キッカーを務めたキム・ボギョンのキックが壁に当たったが、これが相手選手のハンドとしてPKを獲得。これを同19分、キムがしっかりと右隅に決めて再び3-3と試合を振り出しに戻した。C大阪は後半23分、播戸に代えてMF大竹洋平を投入。ファビオを1トップに上げ、大竹はトップ下に配置した。

 全北現代は後半28分、ルイスに代えてFWジョン・ソンフンを投入。C大阪は同29分、丸谷に代えてDF尾亦弘友希を入れ、そのまま左SBに据えた。同31分、C大阪がピンチを迎えた。ゴール前に攻め込まれ、GKキムと尾亦がルーズボールを見合う際に、相手選手に後ろから飛び込まれシュートを打たれた。これは幸いGKキムの正面で助かった。

 全北現代は後半31分、キム・ヨンウに代えてMFキム・ドンチャンを投入。そしてその2分後、キム・ドンチャンはPA左でパスを受けて強烈なシュート。GKキムがファインセーブで弾き出し、C大阪は事無きを得た。ピンチのあとのはチャンスあり。C大阪がついに逆転に成功した。

 後半36分、C大阪は右CKのチャンスを得る。キッカーは酒本。先ほどのCKでは高いボールで清武のヘディング弾を導いたが、今度はグラウンダーのボールを入れた。これに清武弘嗣が反応。右足を丁寧に振り抜いてグラウンダーでゴール左に突き刺した。キーマンがヘッド弾に続いて右足で2得点目を決め、4-3の逆転に導いた。

 後半41分、C大阪は最後の交代カードを切る。ファビオ・ロペスに代えてFW杉本健勇を送り込んだ。必死に守るC大阪。ロスタイムは4分だった。後半50分、左CKのピンチを迎えたが、GKキムがクリアし、大竹が頭で押し出したところで試合終了。苦しい試合展開の中、何とか4-3でC大阪が先勝した。


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