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「監督と選手の距離は離れていない」ドロ沼連敗中の川崎Fは相馬監督続投へ

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[9・14 ナビスコ杯2回戦第1戦 横浜FM4-0川崎F ニッパ球]

 ライバル・横浜F・マリノスとの神奈川ダービーで屈辱の0-4完敗。川崎フロンターレは7月27日のナビスコ杯広島戦第2戦での勝利を最後にはまってしまっているドロ沼の連敗から脱出することができなかった。相馬直樹監督は「最近同じコメントになってしまっているが、多くのサポーターに支えて頂いて、それに応えられず申し訳ない」と唇を噛んだ。

 ディフェンスのミスから自滅した神戸戦(11日)から3選手を代え、U-22日本代表候補のCB薗田淳を今季公式戦初先発させた。相馬監督は「若い部分を含めて。チームは燃え切れないところがあったので期待して出した」と抜擢。だが、「チャレンジャーになり切れなかった。自信が失われていたと思う」と指揮官が分析したように、思い切りに欠けたチームは全体で普段考えられないようなミスを連発し、相手に飲み込まれてしまう。

 空回りしそうになりながらも戦う姿勢が前面に出ていた後半は、横浜FMに食い下がった。FWジュニーニョが相手GKをかわして決定的な右足シュートを放ち、FW小林悠のヘディングシュートがクロスバーを叩くなど、ビッグチャンスをつくっていた。

 ただ前がかりになったところをカウンターで逆襲され0-4。薗田は「自分が入ってチームを何とかしたいと思った。素直に悔しい。大きなチャンスでしたけどものにできなかった」。試合後、選手たちが姿を消したスタジアムに響いていたサポーターたちのコール、思いは選手たちに届くだろうか。

 カンフル剤が必要なようにも映る敗北だったが、庄子春男GMは「監督を支えてくことに変わりない」と相馬監督続投を明言。ただあくまで「現時点」でということ、また「選手と監督との距離はまだ近い」という“判断基準”が今後崩れた場合は思い切った改革を断行することになるかもしれない。

 選手たちはとにかく今を全力で戦うことを誓う。ジュニーニョは「顔を上げて自分たちができることをやっていかなければいけない。過ぎたことを考えてもしょうがない。次の試合のことを考えてやる」。またGK杉山力裕は「自分たち一人ひとりが責任を持って、自分が変えるんだという気持ちをもってやらなければいけない。下を向いていてもしょうがない。自分たちは監督を信じてやっている。相馬さんのサッカーをやっていくことが大事」。次戦は17日の山形戦。相馬フロンターレは“背水”の覚悟でなりふり構わず戦い、次こそ白星を手にする。

(取材・文 吉田太郎)

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