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[MOM155]筑波大FW曽我敬紀(3年)_叔父・風間監督の下で覚醒した快足FWが2発

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9・17 関東大学リーグ1部第11節 慶應義塾大1-2筑波大 西が丘]
  
 元日本代表MFの風間八宏監督の「義理の甥」に当たる筑波大の快足FW曽我敬紀(3年=横浜FMユース)が、後半の2発で逆転勝利をもたらした。

 前半は持ち味のドリブル突破を相手SBに対応されるなど「個人的には全くダメ」という内容。ハーフタイムには風間監督から「(頭を切り替えて前半から)生まれ変われ!」とゲキを受けた。ただ後半は抜群のスピードを活かしてゴールを連発する。「前半はサイドバックに(ドリブルの)パターンを読まれていて。監督からタテに行けと言われた」という曽我は後半9分、左サイドをえぐるとそのままゴールライン際を打開。ゴールに対してほとんど角度のない位置だったが「周りを見ずにシュートを狙った」と左足で同点ゴールを決める。

 さらに14分には相手ディフェンスラインのパスに狙いを定めてインターセプト。GKと1対1となった曽我には隣を走る後輩FW赤崎秀平(2年=佐賀東高)から猛烈なパスの要求があったが、「(心がパスに揺らぎそうになったが)自分で決めたかった」と右足シュートをゴールへ流し込んだ。3位・慶應義塾大との首位攻防戦でチームを救う2発。ただ「前半と後半とで動きが変わってしまう。フルで自分のプレーをしたい」とヒーローは気を引き締めていた。

 この日の2得点で今季6ゴールとした曽我は得点ランキング3位タイへ浮上。横浜FMユース時代はSBを務めていたという曽我がアタッカーとして覚醒しつつある。「(大学入学後にFWへ転向し)1、2年の時は迷いがあった」という曽我は父親の妹と結婚しているという叔父・風間監督の指導3年目の今季、自信をつかみ、自分らしいプレーをピッチ上で表現することができてきている。正月に会えばお年玉をもらっていたという叔父の率いるチームへ進学して自らの戦う術、武器を発見。「FWになってスピードが活きるようになった。教わったボールを受ける前の(DFの)外し方とか自分に合っている。最初は(叔父が監督ということで)プレッシャーがあったけれど、練習では(逆に)いつも怒られてばかり。叱ってもらいながら成長することができている」

 目標はチームの優勝とともに「得点王争いに加わること」と言い切る曽我。04年以来の優勝へ向けて覚醒しつつある「筑波のスピードスター」がゴールを連発する。

[写真]後半14分、筑波大・曽我が決勝ゴール
(取材・文 吉田太郎)

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