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開始1分のOGで攻撃陣が奮起、鹿島はFW3人のゴールで2点差逆転

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[10.5 ナビスコ杯準々決勝 鹿島3-2(延長)横浜FM カシマ]

 後半開始の選手交代が猛攻の合図になった。鹿島アントラーズは0-2で折り返したハーフタイムにMF遠藤康を下げ、FW田代有三を投入。FW大迫勇也が左MFに開き、サイドから突破を仕掛ける。田代、FW興梠慎三の2トップを含めて3枚のFWが攻撃を牽引し、大逆転勝利に導いた。

 後半4分、セットプレーのセカンドボールを拾った大迫が左サイドを突破。折り返しをゴール前で胸トラップした興梠が左足を振り抜き、ニアサイドを破った。DFのプレッシャーを受けながらも混戦の中から豪快な一撃。「簡単なシュートより難しいシュートの方が入る。あそこしかコースがなかったと思う。1点取れれば2点目も取れると思っていた。どれだけ早く1点目を取れるかだった」。興梠の言葉通り、後半立ち上がりの追撃弾で勢いに乗った。

 後半28分に大迫の右足ミドルで同点。後半のシュート数は7本対2本と一方的に攻め込み、90分間で決着を付けることはできなかったが、延長後半6分にDF新井場徹の右クロスから田代がヘディングで勝ち越しゴールを叩き込んだ。3人のFWがそろってゴールを決め、2点差をひっくり返す逆転勝利。公式戦5試合ぶりの勝利を飾るとともに、4年ぶりの準決勝進出を決めた。

 開始1分の失点でチームは逆に一丸となった。横浜FMのGK飯倉大樹からのロングフィードが不運にもDF中田浩二の頭に当たり、ゴールに吸い込まれるオウンゴール。前半11分には中田がPKを与えてしまい、0-2と突き放された。

 興梠は「今では笑い話だけど、1点目がああだったから。いつもDF陣に、(中田)浩二さんに助けられているから、どうにかあのミスを取り返したいと思っていた」と言えば、大迫も「ああいう失点をしたから、逆に点を取りたい気持ちがあった。(ミスをしたのが)浩二さんだったから点を取りたかった」と力説。気落ちする守備陣を助けようと、攻撃陣が奮起した。

 2日のJ1柏戦に0-1で敗れ、11試合ぶりの黒星を喫した。リーグ戦は最近4試合勝利がなく(3分1敗)、優勝戦線から大きく後退。逆転優勝は絶望的となった。興梠は「Jリーグでタイトルを獲るのは可能性的に低い。今、目の前にあるのはナビスコ杯だし、タイトルを一つでも取ろうとみんな思っている」と力を込める。9日の準決勝では前年のリーグ王者・名古屋と対戦する。「リーグにもつなげたいし、決勝に行かないと、今日勝った意味もない」と田代。4年連続でタイトルを獲得している常勝軍団の誇りに懸けて、目の前のタイトルを全力で獲りにいく。

(取材・文 西山紘平)

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