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2冠誓う小笠原、「被災地の復興はこれから。僕らも勝ち続ける」

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[10.29 ナビスコ杯決勝 浦和0-1(延長)鹿島 国立]

 まだまだ満足するわけにはいかなかった。特別な意味を持つタイトル。それでも鹿島アントラーズのMF小笠原満男は「(タイトルは)何個獲ってもうれしいけど、一つじゃ物足りない」とあくまで貪欲だった。

 被災者にタイトルを届けたい。その一心でプレーしてきた。3月11日に起きた東日本大震災では、クラブも被災し、クラブハウスやカシマスタジアムが損傷。チーム活動が一時休止を余儀なくされただけでなく、岩手県出身の小笠原は、地元が甚大な津波被害を受けた。

「うちは東北や茨城出身の選手が多い。被災した方々に喜んでもらえる結果を出したいと思って今シーズン戦ってきたけど、なかなか結果が出なくて、もどかしさもあった」

 ACLはベスト16敗退に終わり、Jリーグも優勝の可能性が消滅。目の前のタイトルであるナビスコ杯決勝に全身全霊を懸けていた。「今日で少しは喜んでもらえたかなと思う」と安堵のため息をつく小笠原は「でも、まだまだ。一つ結果が出たという感じです。(被災地の)復興という意味でもこれからだし、僕らも勝ち続けないといけない。僕らがパワーをいっぱいもらった。その恩返しをしていきたい気持ちが強い」と力説した。

「タイトルを獲らなきゃいけないチーム。2位でよくやったと言われるチームじゃない」。残り4試合となったリーグ戦、そして天皇杯へ。勝って勝って勝ち続ける。

「(タイトルが)一つじゃ物足りない。もちろんうれしいけど、これでシーズンが終わりじゃない。天皇杯もあるし、Jリーグも少しでも上にいきたい。まだまだこれからです」。2012年元日まで続く今シーズン。残り全勝で天皇杯との2冠を達成することしか、小笠原の頭の中にはない。

(取材・文 西山紘平)

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