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[MOM160]早稲田大MF奥井諒(4年)_J入り濃厚MFが意地の先制弾

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.4 関東大学1部リーグ戦・後期リーグ第22節 早稲田大2-1流通経済大 駒沢]

 インカレ出場は叶わなかった早稲田大だが、最終戦を意地の白星で飾った。早稲田大は流通経済大に2-1の勝利。来季のJチーム入りが濃厚なMF奥井諒(4年=履正社高)が先制点を決める活躍をみせた。

 前節終了時点では、早稲田大がインカレ出場枠である4位以内に入る可能性は“他力本願”ながらも残されていた。しかし、この日に行われた第1試合で勝ち点2差で上回る慶應義塾大が勝利したため、4位以内の可能性は消滅。今節がこのチームで戦う最後の試合となってしまった。それでも選手たちは士気を下げることなくアップを続け、試合に臨んだ。奥井も「最初から2点差で勝とうと言っていたので、インカレは無理だと分かっていたけど、2点差で勝つことを目標に試合に入りました」。

 そして前半33分、相手DFが弾いたこぼれ球をMF白井豪(3年=三鷹高)が拾い、パスを受けた奥井が右足を振りぬき、シュート。目前で全国行きの道が閉ざされ、モチベーションを維持するのは難しい試合だったことは間違いない。それでも「自分でも努力できることが自分の強み、持ち味だと思っている」と胸を張る奥井が渾身のシュートを決めた。その後、早稲田大は追いつかれるも、追加点を挙げて2-1で逃げ切った。

 ゴールを決めた奥井だったが、試合後は「先制点の前に2回も決定機を外したし、あそこで決めるか決めないかが、ここから上にいけるかいけないかというところだと思う」と唇を噛んだ。大学サッカー生活は、この日で終わりとなったが、J入り濃厚な奥井にはまだまだこれから先、長い道のりが待っている。

 プロ入りを目前に控えたMFは「自分が一番下手なのは分かっているし、大学リーグにも早稲田にも俺より上手い選手はいるのも分かってる。まだ全然(プロとしての)スタートラインに立っていないと思う」とキッパリ。「自分の力で客を呼べて、A契約になった時に本当にスタートラインに立てるんだと思う。まだ自分はスタートラインさえ、見えていない段階。下手なのは自分で分かっているので、それを補うだけのトレーニングや練習をやっていかなければいけない」。真っ直ぐと前を見据えた。

 自身に対してのストイックな言葉が続いていたが、最後には前期リーグを1位で折り返し、年間5位で終えた早稲田での最終シーズンを振り返り、「過去3年と違って、上での勝負ができたことが良かった」と話すと、ようやく笑顔をみせた。

(取材・文 片岡涼)

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