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[MOM167]慶應義塾大FW森田達見(3年)_「慶應は日本一にふさわしい」胸張るFWが決勝点

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.18 全日本大学選手権1回戦 福岡大1-2(延長)慶應義塾大 足利]

 慶應義塾大を全国8強に導いたのは、途中出場のFW森田達見(3年=川崎F U-18)の一撃だった。かねてから須田芳正監督に「ゴールに直結するプレーをしなさい」と言われているMFがその言葉を体現してみせた。

 1-1で迎えた後半25分にピッチへ送られると、幾度も相手陣内へ切れ込んだ。「自分の場合は長所がスピードとドリブル。どんどん仕掛けることを意識している」と意気込むように、果敢にゴールをめざしていった。そして延長前半5分、PA右からドリブルで持ち込むと、冷静に右足シュート。ゴールネットへ決勝弾を突き刺した。

 自身のゴールが決勝点となったが、森田の口から一番に出てきたのは「4年生の引退が伸びたのが素直に嬉しい」という言葉。背中で引っ張ってきた4年生と、まだ試合ができる喜びが得点よりも先に立った。

 森田は「このチームは日本一にふさわしいチーム。やってきたサッカーの質もそうですし、キレイなサッカーをやってきた。守備陣も最後のところで身体を張ってくれるし、選手だけでなく、応援してくれる選手も含め、組織として、うちの大学は日本一だと思う」と話す。組織として日本一にふさわしいチームだという自負があるからこそ、今大会ではそれに見合う結果が欲しい。

 1年生時から試合に出てきた森田だが、意外にも自分のプレーを出せていると感じることができたのは、大学3年生として迎えた今年の夏だった。自身の転機となったのは、天皇杯予選の明治大戦。味方が退場し、数的不利な戦いのなかで「攻撃に関しては自分がやるしかないという状況が生まれて、そこで活躍できたのが自信になった」という。また「上級生として自分が引っ張っていかないといけないという自覚が芽生えた」ことも変化の要因だった。メンタル面の変化が堂々としたプレーにつながり、「練習と同じように試合でもプレーできるようになった」。

 今後へ向けては「自分のことだけで精一杯にならずに、周りの気持ちの面も引っ張れる選手になりたい。守備が得意ではないので、後ろで守ってくれる選手のためにも、自分がゴールを取りたい」と森田は話す。常に“誰かのために”。森田はゴールをめざし、走り続ける。

(取材・文 片岡涼)

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