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[MOM172]慶應義塾大DF黄大城(4年)_来季京都入り、大型左SBが圧巻の決勝アシスト!!

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.23 全日本大学選手権準々決勝 桃山学院大0-1慶應義塾大 足利]

 来季の京都サンガF.C.入りが内定している慶應義塾大のDF黄大城(4年=桐生一高)が圧巻の決勝アシストで、チームを勝利に導いた。高校時代は無名だったDFが一気にプロ入りを勝ち取ると、全国の舞台で“未来のJリーガー”として、堂々のプレーを披露した。

 スコアレスで迎えた後半23分だった。黄が前線のFW風間荘志(4年=暁星高)へロングフィード。風間が仕掛け、こぼれたボールをMF藤田息吹(3年=藤枝東高)が拾う。ここで左サイドを一気に駆け上がってきたのが黄だった。藤田のスルーパスを受けると、ゴールライン際から仕掛け、ゴール前のFW大塚尚毅(4年=滝川二高)へラストパス。大塚が決めたシュートが決勝点となり、慶應義塾大が1-0の勝利で4強入りを決めた。

 長距離を走り抜き、アシストを決めたが「俺がフィードもしましたっけ?! 確かに長い距離を走ったなとは思いました」とコメント。そして「がっつり狙ってました」と話すアシストには「本当に嬉しい」と声を弾ませた。

 この活躍に慶應義塾大の須田芳正監督は「もともとプロに行く選手なので、このくらいの活躍はしてもらわないとと思う。だが、こういう苦しいところでタイムリーな仕事をしてくれて助かった」と賛辞を送った。

 黄は桐生一高時代は、大舞台での経験は多くなかった。それでも大学入学後、1年生のときから主力選手として起用され、経験を積むと、大学屈指の大型SBに成長。だからこそ「この大学に入って、(将来の)道が開けた。その恩返しがしたい。こういう慶應義塾大というチームの組織の名を全国に轟かせたい」と力を込める。桐生一高出身者では、現・高校3年のFW鈴木武蔵とともに、初のJリーガー。桐生一高と慶應義塾大の名前を背負い、プロ入りする覚悟がそこにはある。

 25日に行われる準決勝では同じく関東リーグの明治大と対戦する。黄は「まずはアシストよりもDFなので、無失点で試合を終えたい」と話しながらも、「(関東選抜の監督だった)明治大の神川監督にいろいろ知られているので、いつも明治大戦での出来はあまりよくないんです……」と苦笑い。それでも「そういうのも打開して、結果を手にしたい」と力強く話した。大学屈指のSBが決意のプレーでチームを引っ張る。
 
(取材・文 片岡涼)
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