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[MOM180]専修大DF鈴木雄也(4年)_劇的V弾の主将に油断なし

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.7 関東大学1部第1節 専修大2-1東京学芸大 西が丘]

 強い決意を持って新シーズンに臨んでいる主将が王者に勝ち点3をもたらした。全日本大学選手権優勝の専修大は前半42分に先制されるなど苦しい戦いとなったが、後半23分に追いつくと相手を完全に押し込んで迎えた後半ロスタイム、MF長澤和輝(3年=八千代高)からのラストパスにゴールエリアで反応したCB鈴木雄也主将(4年=武相高)が右足で決勝ゴールを押し込んだ。

 昨年、関東・全日本2冠に大きく貢献した注目CB。3月のデンソーカップチャレンジで右足を負傷し、その回復が長引いた。万全の調整ができていた訳ではない。その中で迎えた開幕戦は安定した守りを見せてカウンターから喫した1失点で切り抜けたものの、相手アタッカーと1対1に持ち込まれる場面が多い中で、完全にはその対応ができず本人は不満顔だった。「もう少し取りきれるところで取れていれば。上も下も負けられない。もっと高めていかないといけない」と口にする。それでもロスタイムにチームを救う決勝ゴール。「昨日から第1号ゴールを狙っていました。(同点ゴールを決めた仲川に)取られちゃいましたけど・・・」と苦笑いしながらも、勝ち取った勝利についてはホッとしていた。

 日本一チームを率いる主将は「日本一になった後にキャプテンを経験できるということはこの大学サッカーをやっている何千人、何万人の中で自分ひとり。すごくプラスに捉えて、自分を変えるチャンスだと捉えて、取り組もうと思っています」と意気込む。別格の強さと“美しさ”を兼ね備えた昨年以上を目指してのスタート。ただこの日はディフェンスラインが下がり、ロングボールが増え、「攻撃的で美しいサッカー」を掲げる“専大らしさ”を出せなかった。本人も「自分たちのサッカーがしたかった。不甲斐なかった」。ただ悔しい思いを次につなげるだけ。「課題を修正した時にあの試合はあれでよかったと思える。勝ったことで気が緩むこともあるだろうし、この試合を無駄にしないことが大事」。珍しく攻撃のヒーローとなった鈴木だが、王者の新主将に油断は見られない。

(取材・文 吉田太郎)

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