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[大学MOM_16]流通経済大DF藤本大(1年)_期待のDFがデビュー戦ゴール

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[大学マン・オブ・ザ・マッチ]

[5.8 関東大学サッカー1部第6節 流通経済大 1-1 駒澤大 西が丘]
 
 タレント軍団・流通経済大の1年生DF藤本大(大津高)がリーグデビュー戦でいきなりゴールを決めた。0-1の前半43分だ。右サイド高目の位置取りをしていた藤本は、MF柳明基(4年=横浜FMユース)からのロングフィードを絶妙な胸トラップ。そのままドリブルに入ると、相手DFとの1対1では「あれしかないと思った」とDFの頭上にボールを通す技ありのコントロールで抜き去りPAへ進入。カバーに入ったDFがややクリアにもたついたところを見逃さなかった藤本は、飛び出してきたGKの位置をよく見てから左足シュートをゴールへ流し込んだ。
 「普通、DFがああいう状況になったらまずシュートをふかしてしまう。とてもDFとは思えないプレーだった」と流経大・中野雄二監督。今春卒業した大津高(熊本)では当初FWで、4強入りした08年全国高校総体では貴重なゴールを連発している藤本だけに、攻撃力には定評があったが「想像以上」のデビュー戦ゴールで周囲を驚かせた。

 流通経済大のトップチーム唯一の1年生は、すでに同大学が参加しているJFLで公式戦デビュー済み。大学サッカーの「聖地・西が丘」初戦だったが、大津高時代にも数々の大舞台を経験してきているだけにそのプレーには余裕すら感じられた。「JFLの試合も以外とあっさりできたし、緊張はしないかなと。山村(和也)クンに西が丘の雰囲気を教えてもらっていて入場する前は緊張したけど、試合では普通にやれました」と微笑んだ。
 この日は主力の右SB石川大徳(4年=流通経済大柏高)が負傷欠場したために急遽抜擢されたが、1年生DFはわずか1日の練習だけで臨んだ右SBで結果を残した。初めてのSBは試行錯誤の中でのプレーだったものの、積極的に攻撃参加。そして武器である空中戦では強さを発揮し、相手の攻撃を跳ね返した。「山村クンがサイドへ開くので高いポジションをとった。SBもおもしろかったですね」。ただし、「(駒大の全日本大学選抜FW)三島(康平)さんのヘディングは想像以上に強かった。大学には高校にはいなかったような強いFWがいる。課題ができました」と反省することも忘れなかった。

 C大阪のDF藤本康太を兄に持つDFは高校時代もJクラブ入りが注目されたが、選んだ進路は昨年11人をJクラブに送り出している大学ナンバー1のタレント軍団・流経大だった。理由は「将来Jに行くため」ときっぱり。全日本高校選抜の欧州遠征に参加していた影響でチーム合流からまだ1ヵ月弱だが、それでも藤本を起用してきたことにチームの期待の高さもうかがえる。
 ただ、本人の頭の中にあるのはとにかく必死に成長するということだけ。「フィジカルを上げないといけないし、技術もそう。やることはいっぱいあるけど地道にやれば先につながる。がむしゃらにやっていきたい」と目を輝かせていた。

(取材・文 吉田太郎)

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