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[ACL]「タイトルを1つ失った」川崎Fはショック隠せず、伊藤「大ダメージ」

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[9.30 ACL準々決勝第2戦 名古屋3-1川崎F 瑞穂陸]
※2試合合計4-3で名古屋が準決勝進出

 1冠が消えた。川崎フロンターレは名古屋に“逆転負け”でベスト8敗退。2年前に続いて8強の壁に阻まれた。前半27、35分に失点し、2試合合計2-3と逆転されたが、同38分にFW鄭大世が“同点ゴール”。2試合合計3-3と試合を振り出しに戻した。

 次の1点を奪えば、2点目のアウェーゴールとなり、1失点しても準決勝進出が決まる。精神的に優位な立場に立ったのは川崎Fのはずだった。

 しかし、足が動かない。連戦の影響、雨に濡れたピッチコンディション、アウェーの雰囲気。要因はさまざまだったが、後半はほとんどサンドバック状態で、シュート数も3対12と防戦一方になった。

 鄭は「2-1になって“行けるぞ”とは思った。でも、足が止まった。延長のことは考えていた。完全に劣勢で、考えざるを得なかった。守るしかないし。でもあれだけ攻められたら、(点が)入るのは時間の問題。悔しいけど、相手の方が良かった」と唇をかんだ。

 MF中村憲剛はショックを隠し切れなかった。「負けたから、特に何も言うことはない。何を言っても言い訳になる。負けてしまったのは事実で、今のところそれしか頭の整理が付いていない。それだけです」。表情は顔面蒼白。言葉少なに報道陣の質問に答えると、足早にバスに乗り込んだ。

 リーグ、ACL、ナビスコ杯。すべてのタイトルを手にするチャンスがあったが、「1つ失った」(関塚隆監督)。リーグ戦も連敗で、暫定6位まで順位を落とした。もちろんまだまだ逆転の可能性はあるし、決勝進出を決めているナビスコ杯、天皇杯を含めてタイトルを手にするチャンスは残っている。

 だが、「大ダメージです」とDF伊藤宏樹が言葉を振り絞ったように、ACL敗退の後遺症は重くのしかかる。4日には横浜FM戦、7日には鹿島との再開試合を控える。過密日程が続く中、どこまで気持ちを切り替えられるか。悲願のタイトル獲得へ、川崎Fはここが正念場だ。

<写真>
前半38分にゴールを決めた鄭大世

(取材・文 西山紘平)

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