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ブラジルサッカー通信 by 藤原清美

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ベベット監督、まもなく公式戦デビュー
by 藤原清美

ブラジルのシーズンオフは短い。全国選手権が終わったのが12月6日。それから1カ月と経たない、年明け4日頃から、各クラブ、プレシーズン合宿をスタートさせている。今月16日には、州選手権がブラジル全土で開幕するのだ。

リオデジャネイロ州選手権で注目を集めているチームの1つが、アメリカRJだ。
アメリカは伝統ある古豪ながら、昨年は州選手権2部を戦った。そのため、クラブは元ブラジル代表ロマーリオをディレクターに迎えることで、その知名度や経験を生かしてスポンサー獲得や選手の補強などを行ない、立て直しを図ってきた。ロマーリオの存在が選手のモチベーションアップにも繋がり、チームは1年で州選手権1部復帰を達成、今季に向けての体制作りが急がれていた。その目玉が、94年ワールドカップ優勝メンバー、ベベットの監督就任なのだ。昨年11月末にベベットの自宅を訪問した時、彼は監督業を始める意欲に燃えてい
た。現役引退後、代理人業を営むと共に、慈善事業などで活躍してきた彼が、昨年は監督への転身を目指し、94年優勝監督のパヘイラから指導を受けるなど、準備を進めてきた。ザガロがお手本という彼は、ヴァンデルレイ・ルシェンブルゴやパウロ・アウトゥオーリなど、好きな監督達の名前をあげて、いろいろ学びたいと語っていた。

その1カ月後、アメリカRJ就任が発表されたのだ。94年の2トップが、ディレクターと監督という立場に変わり、ピッチの外で復活するに当たって、国内の注目度
は高い。ベベットは「人生の新たな段階を歩む上で、ロマーリオの信頼を幸せに思う。選手と監督は別物だとは分かっているが、僕は自分の経験に自信を持っている。監督を始めるために準備をしてきたし、今、アメリカを引き受けるコンディションはあると思っている。」と、熱く語っている。

9日には、プレシーズンマッチで初采配をふるった。合宿地である、リオ郊外アハイアウ・ド・カーボ市選抜チームとの対戦。前半にビハインドを背負ったものの、後半に逆転し、3対2の勝利。ブラジルメディアは、ベンチでのアクションの大きさを取り上げるなど、監督ベベットを微笑ましく見守った。

監督としての公式戦デビューは、1月16日のリオ州選手権1部初戦マドゥレイラ戦となる。アメリカRJは、現在ブラジル代表アシスタントコーチを務めるジョルジーニョが、2006年に監督デビューしたクラブでもある。ジョルジーニョはその年の州選手権で、前期準優勝、後期準決勝進出を果たしている。ベベットが成功すれば、アメリカは新人監督の登竜門のような存在になるかもしれない。

<写真>インタビューに応えるベベット

※本コラムは毎週木曜~金曜更新予定です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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