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流通経済大サッカー部日記「たつのこ日和」

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死闘、制す 後編

 PK戦。ここだけの話、正直期待はしていませんでした。一昨年度、筑波大学を相手にPK戦で敗れインカレ準決勝敗退、昨年度は関西大学を相手にPK戦で敗れインカレ準々決勝敗退・・・。本当にPK戦が苦手なチームなのです。

 特にキャプテンの武藤雄樹。彼ほどPKにトラウマのある選手はいないでしょう。昨年度の関西大学戦、両チームを通してPKを失敗した唯一の選手で、非常に悪い言い方をすれば彼がPKを外したことでチームが敗れてしまいました。そして今年度に入ってからもリーグ戦での大事なPKを外していたりと、キャプテンでありエースストライカーでもありながらPKが苦手な武藤選手。そんな彼が先攻である流経の1人目のキッカー。今日こそ入れと思いながら見ていた武藤のPK、なんとGKに阻止され失敗。武藤にとって3度目の正直とはなりませんでしたし、やはりこのチーム自体PKがダメなんだな・・・とも思った瞬間でした。

 しかし後攻である早稲田も失敗。一旦振出しに戻るも、2人目のキッカー椎名がこれまた外し、嫌なムードに。ところが早稲田も2人目が失敗。しかしそこから両者ともに3人がきっちりと決めサドンデスへと突入。ここからの失敗は本当に許されないという緊張感の中でのPK。その緊張は蹴る選手も、センターサークルで肩を組む選手も、逆サイドで応援している選手も、ベンチに座るスタッフ陣も、流経を応援しに来た観客の人達も、もちろん流経だけでなく早稲田の人達も、その場にいた人達全員が感じていました。

 そんな中で両者6人目が決め、迎えた7人目。静まり返るピッチ、ホイッスルの音、ボールがネットを揺らすと同時に湧き上がる声援、流経の7人目が成功しました。そして早稲田の7人目がボールをセット。再び静まり返るピッチ、ホイッスルがなり、早稲田の7人目のボールが枠外へ、その瞬間、その日一番の歓声が生まれました。流経が勝ったのです。勝った瞬間、私は思わず感涙にむせいでしまいましたが、一方で選手やスタッフはお祭り騒ぎかの様に互いにピッチで喜びを表現し合っていて、それを見て本当に本当に勝ったんだなとしみじみと実感しました。おそらくこの試合、誰もが認める今年度ベストゲームだったと思います。

 
 とは言え、あくまでも勝ったのは関東での予選。総理大臣杯本戦のスタートラインに立ったばかりです。来月初旬に行われる本戦でも勝利を飾ることができるよう選手、スタッフ一同全力を尽くしたいと思いますので、今後も応援宜しくお願い致します。

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