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SAMURAI密着日記

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タウンシップで触れ合いイベント

[6月25日27時@ジョージ]
 日本代表が宿泊している『ファンコート』は、超高級ゴルフリゾートです。

 門から建物の入り口まで数百メートル。高級食材を使った食事、美しいカトラリー、清潔で手触りのよいリネン、ヘルシー感あふれるジム、リラックス度満点のスパ、感じの良い従業員。白人裕福層のためのこの施設が、岡田ジャパンの快進撃を大きく支えたのは間違いありません。

 ラステンバーグでデンマークを下してから一夜明けた25日。選手たちを乗せたバスは、いつもと違う場所へ向かいました。ジョージ市内の東側にある旧黒人居住区、いわゆるタウンシップです。

 舗装されていない道には土ぼこりが舞い、壊れかけたトタン屋根の家の軒先には、洗っても洗っても黒っぽさの取れないような洗濯ものが、所狭しと干してあります。粗末な身なりの男性たちが、何もすることがなさそうに、じっと座っています。野良犬も少なくありません。

 ジョージ市の職員によると、「低所得者層の月収は1500~3000ランド(1万9000円~3万7000円程度)で、一家族には平均4人の子どもがいる」とのことです。(これでもタウンシップの中ではかなりキレイな方だと思います)
 そんな、タウンシップの人々が、日本代表のバスを見たとたん、「コンニチハ!」「ヨウコソ!」と、日本語でバスに声をかけ、手を振り始めました。報道陣にも笑顔で「コンニチハ!」と挨拶をしてくれます。聞けば日本代表との触れ合いのチャンスを、地域のみんなが心待ちにしていたそうです。

 デンマーク戦の翌日ということもあり、選手は疲れていたでしょうが、こういった場所に来ることは、いろいろな意味でとっても大切なことだと思います。説明不要な何かが感じられた30分間だったのではないでしょうか。

 さて、タウンシップでも一番人気は本田圭佑でした。が、もう一人、人気者が。稲本潤一です。金髪が似ているため、あちこちで「ホンダ!」と呼ばれて苦笑い。でも、嫌な顔一つせずにサインをしていましたね。人間的魅力を感じましたよ!
(文・矢内由美子)

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