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南アフリカW杯便り

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「ドン・キホーテ」にならなかった岡田監督

[6月29日午前1時@ヨハネスブルク]

 いよいよ決戦のときが来ました。パラグアイとの決勝トーナメント1回戦。どちらが勝っても史上初のベスト8進出。もちろん、新たな歴史をつくるのは我らが日本代表であることを祈っています。

 日本代表の活躍ぶりは海外メディアからも注目されています。公式練習後の記者会見。質疑応答では岡田武史監督に対して11個の質問が出たのですが、うち7つは海外メディアからのものでした。これまでの記者会見では大半が日本メディアとのやり取りだったことを思うと、海外の注目度は明らかに高まってきています。

 やはり決勝トーナメントに進出すると違うのだなと痛感しました。16強。これでようやく世界からも認められるのだなと。

 もうひとつ、個人的に世界の注目を感じる出来事がありました。冒頭15分のみ公開された公式練習。非公開になったあとメディアセンターで練習が終わるのを待っていたときに、フランスのラジオ局から日本代表チームの現状について取材を受けました。

 「なぜフランス?」と思いましたが、彼らはすでにグループリーグ敗退…。大会全体を追う中で、日本にも関心を持ったということなのだと思います。

 そこでも聞かれるのは、やはり「監督はベスト4が目標だと言っているが?」という質問。「大会前はみんな不可能だと思っていたけど、今はみんながそうなることを祈っている」と答えておきました。

 これまでも親善試合のたびに対戦相手の監督に「日本はベスト4を目標にしているが、どう思うか?」という質問が飛び、毎回のように失笑されては恥ずかしい思いばかりをしてきました。しかし、今となっては笑う人もいないでしょう。岡田監督は「ドン・キホーテ」にはならなかったのです。

 夢の実現へ、一歩一歩、階段を上っていきましょう。まずはベスト8。そして、その先へ。日本からも熱い応援をお願いします。僕も記者席からですが、精一杯応援します。

(文 西山紘平)

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