beacon

SAMURAI密着日記

このエントリーをはてなブックマークに追加

一致団結を支えたキーマン

[7月4日25時@ケープタウン]
 98年伊藤輝悦、服部年宏、斉藤俊秀、02年・秋田豊、06年・遠藤保仁。彼らの共通項にお気づきでしょうか。

 日本が過去に出たワールドカップ3大会で、試合に一度も出なかったことのあるフィールドプレーヤーです。(秋田に関しては98年フランス大会では全3試合に先発フル出場を果たしており、遠藤は今回、4試合すべてに先発フル出場しました)

 今回は岩政大樹、内田篤人、森本貴幸の3選手が、出場機会を得ることができませんでした。

 世界のひのき舞台でプレーするぞと意気込んで南アにやってきたことを思うと、その悔しさが痛いほどわかります。

 けれども彼らこそ、チーム団結に欠かせないキーマンだったのです。練習では不満そうなそぶりを見せることは一切ありませんでしたし、最年少の森本は天然のムードメーカーとしても活躍しました。

 サファリに囲まれた状態だったラステンバーグの宿舎では、森本の、動物の鳴き声を真似して発する奇声が、デンマーク戦に向けてピリピリしたチームのムードを和ませました。

 ジョージの宿舎のプールでは高地順化の成果を試すべく、ミニ潜水大会を主催。「40メートルで僕が一番でした」と胸を張っていました。中村俊輔の誕生日にも歌を披露したそうです。そういえば、帰国後の会見でも歌っていましたね。

 また、南アから帰ったばかりのサポートメンバーの中には、早くも試合に出場した選手もいます。総理大臣杯全国大学サッカートーナメントに出た流通経済大の山村和也と、福岡大の永井謙佑です。

 岡田ジャパンが成功した背景には、彼らサポートメンバーの献身もありました。サースフェー合宿では絶好調の香川の存在が、代表メンバーにいい緊張感を与えました。

 山村や永井、そして酒井高徳を含めた4選手は、練習試合などで穴のあいたポジションに入ることがしばしばありましたが、これはサブ組のストレス軽減に大きく役立ちました。

 今回、試合に出ることのなかった選手は、その悔しさを今後にぶつけてくるはずです。彼らの“逆襲”に注目したいですね。
(文・矢内由美子)

TOP