再びやってくる『海外組の時代』
[7月5日25時@ケープタウン]
日本代表が帰国してから早くも5日間が過ぎました。ドイツ大会の惨敗から一転、中立国でベスト16という躍進を遂げた日本人には、多くの海外クラブが注目しているようです。
4試合2失点、抜群のシュートストップを見せた新守護神の川島永嗣は、ベルギーのリールスSKへの移籍が決まり、近日中にベルギーに向かいます。
大宮アルディージャ時代からパルマの練習に参加するなど、海外挑戦の意向を強く持ち続けてきた川島。代表で先発の座をつかみ取ったように、ベルギーでも正GKの座を勝ち取ってほしいと思います。
エースキラーとして名をはせた長友佑都はプレミアリーグのバーミンガムなどと交渉中です。そして、30歳の遠藤保仁には名門のリバプールが獲得の意思を示しています。
既に海外で活躍していた本田圭佑については、ミラン、バルセロナ、チェルシーなどなど、多くのビッグクラブが獲得に名乗りを上げています。
彼の場合、移籍金の金額が飛びぬけており、おそらく20億円前後にまで跳ね上がるのではないでしょうか。これは、01年にローマからパルマへ移籍した中田英寿の33億円に次ぐ、日本人史上2番目に高い移籍金です。
加えて、ワールドカップ前にドイツのシャルケへの移籍が決まった内田篤人、同じくドルトムントへの移籍が決まった香川真司は間もなく日本を飛び立つでしょう。
10/11年シーズンには10人近い代表経験者が欧州でプレーすることになりそうです。中田英、中村俊輔、小野伸二、稲本潤一、高原直泰、柳沢敦、鈴木隆行らが欧州クラブに在籍していた03年ごろ以来となる多さ。大歓迎されるべき状況です。
08年1月、名古屋のフェルホーセン元監督に頼み込んでVVVを紹介してもらい、オランダ移籍を実現させた本田はこう言って発破をかけました。
「若い選手は海外に出るべきだと思う」
サッカー選手が「海外でプレーしたい」と考えるのは、ある意味、本能的なこと。挑戦者の心意気は忘れないでいてもらいたいものです。
(文・矢内由美子)